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Soi Nish

​ 技術士二次試験に向けて勉強中のエンジニア。デジタルファブリケーション時代に、個々のMAKERたちは、いかに力を合わせて困難な課題に立ち向かうのかを日々考えている。究極には世界中の個人MAKERSたちが自らの理想を追いつつ、協力し合う世界を目指す。途方もなく遠い旅だが、一歩ずつそこに近づきたい。

なぜ、コンカレントエンジニアリングでデジタルファブリケーションなのか?

 21世紀に重要となるテクノロジーは三つある。それは、「情報」「交通」「エネルギー」だ。そして、実際に僕たちは高度に発達した情報化社会を生きている。だが、これはほんの序章にしか過ぎない。情報の伝達は、従来僕たちが考えていた以上のスケールで伝播しようとしている。もともとテキストベースの情報伝達しかできなかったインターネットは、今や、写真、音楽、動画に留まらず、物体の形状でさえも伝達することができるようになった。さらに、情報は固定された状態の「本」という形態から、インターネットにより「ウェブページ」という流動的な形態に移行し、今後「AI」という自己変化する形態に発展を遂げようとしている。

 

 「交通」も情報化され、自動運転技術が確立されれば、フィジカルな世界もバーチャルな世界との連動が強化され、オンラインとオフラインの境界が溶けてくるはずだ。そして、物質(アトム)だけでなく、情報(ビット)も現実世界に染み出してくる。それはVRやAR、そしてMRという技術によってもたらされるだろう。デジタルファブリケーションもビットとアトムの架け橋となるテクノロジーだ。

 そして、これらの技術の使用を大きく支えるのが、「エネルギー」だ。太陽電池の1kWあたりの単価はスワンソンの法則に従い、年々20%ずつ安価になってきている。このままいけば、21世紀の終わりには、太陽電池は有力なエネルギー源となるはずだ。そして、核融合が実用化されるような時代になれば、文字通り使い切れないほどのエネルギーを人類は手にすることになるだろう。

(ちなみに、この三つのテクノロジーはTED Talksでイーロン・マスク氏(テスタモーターズCEO)が重要だと言及したものだ。彼は実際にこの三つの分野の事業を行っている。)

 ここまで来ると、もはや20世紀とは完全に異なるパラダイムにシフトした状態だということが分かるだろう。このような変化には、経済もかなりの影響を受けるはずだ。エネルギーが無尽蔵に供給される世界では、原理的に、真水を得られるコストは限りなくゼロに近づく。すると、農業を行ううえでの枷がひとつ取り払われることになる。蒸留した水を大量に使用し、運搬にもコストがほとんどかからない。このような状態であれば、砂漠での農業ということも不可能ではないはずだ。(ただし、それにより未知の気候の変動が誘発されないとも限らないが。)

 これ以上に、未来は今からは想像できないような状態になっている可能性が高い。きっと、僕が仕事で関わっている「ものづくり」もそんな訳のわからない世界に片足を突っ込んでいるのだろう。だから、現在、新しいものづくりのムーブメントとして取り上げられているデジタルファブリケーションについて考えていきたいと思ったのが、このブログを始めたきっかけだ。そして、20世紀のものづくりを支えてきたコンカレントエンジニアリングという手法が、21世紀のデジタルファブリケーションに適用できるのかどうかを知りたいというモチベーションを保つようになってきた。だから、僕はコンカレントエンジニアリングという手法を通してデジタルファブリケーションを飛躍させる方法を探っていきたい。

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