1-1 機械設計【選択科目II】(平成28年)
II-1-1 「ISO9001 7.3設計開発プロセス」においては、設計品質確保のため、「設計検証」に加え「設計の妥当性確認」を実施することが述べられている。それぞれの違いについて述べよ。
【解答例】
◉「設計検証」と「設計の妥当性」の違い
ISO9001の設計開発プロセスにおける「設計検証」と「設計の妥当性確認」の違いを明確にするため、設計開発プロセスについて簡単に説明する。
1. 設計開発プロセス:製品設計は大まかに次のプロセスを経る。
①ユーザのニーズを把握、②設計インプット、③設計プロセス、④設計アウトプット、⑤製品化。
また、各プロセスの区切りにはデザインレビュー(DR)などの審査が行われる必要がある。
2. 設計検証:設計検証は、④設計アウトプットが②設計インプットの基準を満たすかどうかを確認することを指す。即ち、設計された成果物(アウトプット)が、企画時に策定された仕様を満たしているかどうかを確認するのが設計検証である。
3.設計の妥当性確認:一方、設計の妥当性確認とは、⑤製品化した現物に対する確認を指す。すなわち、製品そのものが意図された用途に応じて要求品質を満たすかどうかを確認することである。
4.まとめ:設計検証と設計の妥当性確認は言葉が似ているが対象とするプロセスや、対象物が異なる。その違いを理解し、設計開発を遂行することが設計品質確保をより確実にするであろう。 以上。
草稿の時点で、100文字オーバーしていた。やはり余計なことを書きすぎたようだ。だが、「設計検証」と「設計の妥当性」の対象とするものが、品質機能展開の前後(要求品質、機能品質)という考え方は、結構的を得ているような気もする。もうちょっと回答を練ってみるのも良いかもしれない。