二次情報が多くないかい?
このブログで取り上げている情報。そこには、もちろん僕の個人的な経験が介在している。しかし、全ての記事が、そうであるわけではない。このブログの記事の多くは、僕が聞いたり読んだりしたものを自分なりに咀嚼し、ブログの文章として表現している。でも、それはいわゆる二次情報だ。僕がこのブログの内容の質をもっと向上させ、差別化するためには、もっと自分自身独自の活動が必要となってくる。
体質の転換に必要なものは「検証」 二次情報の多い現在の状況から、一次情報の比率を上げていくために僕がすべきことは、ただひとつ。検証だ。二次情報は、それに取り組むまでは一種の仮説に過ぎない。僕自身が確かめる前の段階では、なんらかの情報が欠落したものだと捉えていたほうが良いだろう。その情報がまちがっていると主張しているのではない。その情報を使いこなすには、足りない情報がたくさんあるはずだ、と言っているのだ。二次情報は、すでに誰かのフィルタを通して、書き出されたものだ。それを、僕が自分なりに咀嚼したとしてもエッセンス以外のものは取り払われてしまっている。しかし、その取り払われてしまったものに価値が有る場合もある。その削ぎ落とされてしまった価値を再確認するには、一次情報にあたるしかない。
とにかく実験せよ
一次情報を入手するには、いくつかの方法がある。一番確実なのは、自分で実験することだ。このデータは自分独自のものだ。設定した条件なども他の人たちが行った時とは違うだろう。もちろん、他の人と同じ結果が出る場合が多いだろう。二次情報として表記されたものは、そのような有用な情報を含んでいるのが常だからだ。でも、他の人が得られなかった情報を得ることもできているはずだ。それが形式知の状態ではなく暗黙知として得られている場合もあるだろう。いずれにしても、やってみないと実感として得られないのが人間だ。だから、実験には大きな意味がある。仮説が正しいかどうかだけでなく、どのように条件を設定すべきかというところまで自分のものにできれば、より得られるものは大きいのではないだろうか。
とは言っても、リソースは限られている
実験せよ。これが一確実な道だ。しかし、実験にはリソースが必要だ。大学にしろ、企業の研究所にしろ、実験(というか研究)には、莫大な資金が投入されている。それを、僕のような個人が真似をするということは土台無理な話だ。
小さく始めよ
かといって、何もしないのは論外だ。そもそも、大学や企業と同じ土俵で戦う必要は僕にはない。これはブログだ。力なきものに、力を与えるインターネットの産物だ。その威力を侮ってはいけない。ここには小きもの(針鼠)が戦うための土俵がある。そして、その土俵には、その土俵なりの戦い方があるのだ。そして、僕にできることは、「小さく始める」ことだ。
どうすれば、始められるのか
小さく始めよという指針は分かった。でも、どうやったらいいのだろうか。今考えられるのは次の4つの方法。
1.電子情報として得られる情報を取得する
2.入手容易なものを用いて、簡単な実験を行う
3.知人にアンケートを行う
4.コールドインタヴュー
1.電子情報として得られる情報を取得する
例えば自分でプログラミングして作成したソフトウェアは、電子情報だ。そのソフトウェアの使い勝手なども立派な一次情報だろう。このブログ主なテーマである「デジタルファブリケーション」を例にすれば、3D CADの扱い方や、3D CADのデータなどが相当する。また、作成しようとしている物の、仕様や諸元も記述可能なデータだ。これらは、比較的コストをかけずに得られる一次情報だ。
ただし、「骨が折れない」という意味ではないので注意してほしい。このようなデータの作成は、一般的に時間と手間がかかるものだ。でも、楽しみながらやるのであれば、一石二鳥。トライしない手はない。
2.入手容易なものを用いて、簡単な実験を行う
これも一つ目の方法に近い。簡単な実験というのは、ホームセンターやネット通販で比較的安価に調達できる材料を使って、行うものだ。たとえば、このブログの場合であれば、「工程能力指数」の算出なんかが可能なのではないかと思っている。この辺の構想は、別途書こうと思うので、その時を楽しみにしていてほしい。
3.知人にアンケートを行う
これも勇気さえあれば比較的簡単に行える方法だ。今や、FacebookやTwitterを使っている人は山ほどいる。アンケートを実施するには丁度良い環境が揃っている。もちろん、みんなが返信してくれるなんて望んではいけないが、方法はあるのだ。運が良ければ無償で情報提供してくれる人たちがいるだろう。そうでなくても、なんらかのインセンティブをつければ、協力してくれる人の比率を上げることはできるだろう。
4.コールドインタヴュー
これは、さらに勇気の必要な方法だが、専門家に訊いてしまうのだ。別に権威のある人でなくてもいい。たとえば、インディーズのサイエンティストやエンジニアたちは、メイカーズスペースに行けば会える。彼らから話を聞くことで、一次情報を得ることができるはずだ。
メイカーズフェアなどの展示会などに行けば、彼らの話を聞くチャンスはぐんと増える。彼らは、彼らのストーリーを拡散するために、その場にいるのだから。
まとめ
僕が自分のブログをの質を向上させ、差別化を行うために、一次情報の比率を上げていくにはどうすればいいかを考えたことを、ここに書いた。これを着実に実行すれば、このブログの質は向上するだろう。地道に積み上げていってほしい、と自分にエールを送る。
※このように考えるようになったきっかけとなった本が次の本だ。一次情報を集めるのは泥臭い作業だが、それが何よりも大切であるということを教えてくれた。