今は恵まれた時代だ。もし、僕が何かを設計して作ろうとした時、3D CADはオープンソースのものから、商用のものまで使用できる環境が揃っている。さすがにPTC Crep Parametricを個人で使うのは難しいだろうが、Autodesk Fusion 360なら気軽に使える。
それだけではない。僕たちは、Elmer をはじめとしてオープンソースのCAEを使うことだってできる。（時間と努力さえ惜しまなければ！）さらに、CAMだって使用できる。こんな至れり尽くせりの時代だ。3Dプリンタでの出力ももちろんできる。 しかし、今取り上げたソフトウェアはかつては専門家が使うものだった。それが、いつの間にか個人が使いこなさなければならない時代になってしまった。（もちろん、それは個人の選択なのだけれども）これは、大変なことだ。 僕たちは全てのソフトウェアに精通することはできない。操作方法はソフトウェアごとに違うし、それぞれ得意としていることも異なる。だから、どのソフトウェアを選択するかはかなり大事な要素だ。ここにも試行錯誤は必要なのだろうが、一番深刻なのはデータのエクスポートとインポートだ。ソフトウェアを移動する時にデータが壊れてしまうことは時々起こってしまう。これは、本当に残念なことだ。 僕自身も、デザイナーから送ってもらったサーフェスデータをソリッド化できなくて困った経験がある。サーフェスに穴が開いていたのだ。僕にはそれを修復するスキルはなかった。さらに残念なことに、僕にCADの操作を教えてくれた方も、修正はできなかった。 これは、B-rep形式のファイルに起因するもののようだ。B-repは3D CADによく使われる方式だが、頻繁にデータの移行を行うこの時代には、もっと汎用性の高い方式が望まれているように思う。
とは言え、自分で何とかするには大きすぎる問題だ。できないことはない。でも、君がそれをする必要はあるのだろうか。もちろん、そこでイエスという人がいるのは当然だ。でも、全員じゃないだろう。少なくとも僕は違う。
そこで必要なのは、どの組み合わせが良くて、どの組み合わせがまずいのかという情報だ。これは、みんなで試行錯誤するしかない。すでに有用な情報を持っている人もいるだろう。そういう情報を、できるだけ共有できる環境にできれば、と思っている。少しずつ、情報を集めていくしかないだろう。でも、もし、みんなで協力できれば、それはそれほど難しい話ではないと思う。