マシニングセンタとShop Botの比較 さて、次の話題に移ろう。 ふたつの装置を比較したい。 このような(本格的な)切削装置を用いる場合を考えてみよう。このマシニングセンタのように文字通り鋳物が背後に設けられているものは、1フィート程の分厚さにもなる鋳物の円柱が設けられている。 だから、この装置は剛性が高く、リジッドだ。地震が起きようとも微動だにしない。 比較対象として、このShop Botを見てみよう。Shop Botは全ての部品が共にボルトで固定されている。
Shop Botの調整における重要事項 そして、ここで2つの重要事項をお伝えしよう。 ①X,Y,Z軸の直交度 まず、(Shop Botを使う上で)はじめにやらなきゃならないことはX,Y,Z軸が互いに直交しているかどうかを確認することだ。 装置をはじめに組み立てた時、テストワークは完全な四角形にはならないだろう。だから、切断テストを何度もやって、ワークが四角形になることを確認する。そうやって装置の調整値を見つけていくんだ。 しかも、時間が経つにつれ、この調整値はズレてくる。だから、毎回やらなきゃならないことの1つは、調整によってテストワークが四角形になっているかどうか、装置を確認することだ。なぜならば、調整を怠れば、そのようにはならないからだ。 ②台の平面度(犠牲層を含む) もうひとつ、やらなきゃならないのは、装置の調整システムの中で台がフラットになっているかどうかだ。 君たちは、MDFのようなもの材料にとって良い位置にマシンを調整することになるだろう。 君たちが材料を切削する際、最もシンプルなやり方は、フラットに加工することだ。でも、台全体にわたってこのような加工を行うことになる。だから、全体を調整する上で、台がフラットになっているかどうかを確認してほしい。 犠牲層を準備するのにも、さらに労力がかかる。でもこれも本質的なステップだ。なぜならば、犠牲層とは言え、それは単なる「犠牲」層ではないからだ。犠牲層は装置の調整システムの中で台がフラットであるかどうかを確かにすることに寄与する。 君たちはこれらの全ての作業を精度よく行わなければならない。 (つづく) 講義の目次は 【和訳版】FabAcademy 2016 からご覧ください。 ※この記事は FabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。