痛みを知る マイクロ資本を必要とする社会的なペインは何かと考えた時に、それはやはり技術的失業に他ならないだろうと思う。圧倒的なスピードでAIは僕たちの仕事を奪っていくだろう。それは僕たちが考えているよりもはるかに早くやってくる。そして、資本家と労働者の格差は圧倒的に広がり、富裕層と呼ばれる人たちは、自らをAIを用いてさらにアップデートするようになるだろう。 そんな世界が訪れる前に、僕たちはマイクロ資本を手に入れなければならない。それは、いま、いわゆる富裕層ではない人間にとっては急務になるはずだ。 マイクロ資本は冨を生み出す力だ。それは、エネルギーから始まり、労働、資本を生み出す。だが、土地は生み出せない。だが不動産に準じるものは生み出せるかもしれない。とは言っても、ポスト資本主義の話をしている時に、旧来の資本主義の定義を後生大事にしてきるのも何か違うような気もする。そこは、まだまだ考え続けなければならない。 僕はマイクロ資本を捉えるにあたって、「エントロピーを低減させてシェアせよ」ということに主軸を置いてきた。しかし、そこにとらわれすぎて大局を見失っては、どうしようもない。 マイクロ資本への第一歩は、エネルギーインターネットへの接続、そしてAIの独占を阻止し、デジタルファブリケーションの高度化による生産における限界費用の低減を図ることだ。 今回は、どうしても良い考えが浮かばなかった、AIについて、もう一度考えていきたいと思う。 AIを所有するというのは、なかなか大変なことだ。しかし、現在、その力を使うことは僕たちにもできる。例えば、Google翻訳を使って外国語を日本語に訳すなんてことは、わりと身近なAIの技術だ。しかし、問題はもっと高度化したAIを、僕たちは無料で使い続けることはできるのだろうか?きっと、そんなことはないだろう。もちろん、機械学習のためのデータを人工知能を開発するプラットフォーム企業が必要とするのは当面の間は変わらないだろうし、人間の動向を掴むためのサービスにおいては、無料で使い続けられる可能性は比較的高いだろう。でも、たとえば職人の技を体現するマイスターAIを僕たちは利用することは難しいのではないだろうか。少なくとも今のままでは難しいだろう。 そんなの使わないしな。と思うかもしれない。でも、おそらく、そんなのにアクセスできないことで不利益を被る時代がもしかしたらやってくるかもしれない。 そんな事態を招く原因となりうるのが、技術的失業だ。 (つづく)
マイクロ資本を志向する社会的ペインとは
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