シーケンスエンジニアリング(SE)とコンカレントエンジニアリング(CE)
バリューチェーンをより効率的につなぐ方法はあるのだろうか。
僕たちのように、ものをつくることを生業にしている事業体では、研究開発から設計、生産、営業などの部署に役割が分担されていることが普通だ。というより、そのような分担なしには複雑な工業製品を作って売るなんてことはできない。これらの部署の仕事は、研究開発された成果を基に設計・製造し、それを販売し、市場での故障は修理するというように逐次的に進められていくのが普通だ。ここような進め方をシーケンスエンジニアリングという。
だが、これらの部署間の連携を、より緊密に、リアルタイムに進めていく手法がコンカレントエンジニアリングだ。
コンカレントエンジニアリングでは設計から製造の業務に加えて、資材・経理・営業に至る業務を同時並行的に処理することを目指している。同時並行的な処理により開発期間の短縮やコストダウンなどが見込めるのだ。同時並行的であるということによって生産活動の下流で発生する問題(トラブル)を設計段階で把握することが可能になる。それによってやり直しコストの浪費や不要な検討時間の増大を抑制することができるだろう。
だが、本当のところを言うと僕自身このような進め方を体験したことがないため、あまり実感を持っていない。目指すべきところという認識はしているが、どうすれば山の頂上にたどり着けるのかが分からない。もちろん3DCADやCAE、PDMなどのツールはあるのだが、それをどう有効的に使うのか。それはこれから探っていきたい。
追記:図を変更(2017.08.13)