top of page
  • ahedgehogchase

Lesson 2 コンピュータ支援設計-CAD/CAE §18. 動画の圧縮

動画のコーディングの重要性

 さて、動画を作り終えたらこれを変換する必要が出てくる。つまり、どのコーディングソフトウェアを使うかが大事ってことだ。Webブラウザ上で動画再生することが前提だからね。動画のRawデータからWebに最適な解像度に圧縮する必要がある。 FFmpegやavconv、mencoderを使えば、動画のデータを細分化してサイの目に加工して解像度を変更することができる。情報を符号化することもできるし、ビットレートも変更できる。複合的な側面から動画のデータを変更することができるんだ。僕はavconvを使っている。まるで、スイス製のアーミーナイフ並みに便利な動画編集ソフトだ。  そして、最後に動画再生に関して触れておこう。というのも、特許がらみの激しい争いの結果、OSごとにネイティヴで再生できる動画に制限があるからだ。mplayerとsmplayer、VLCを紹介しておこう。これらは無料で利用できるクロスプラットフォームのソフトウェアで、一般的なメディア形式であれば何でもコーディングできる。そして、最近になってHTML5のWebブラウザ上の一部は、いくつかのメディア形式をネイティヴに読み込めるようになった。ここで、動画を紹介しておこう。この講座のWebページに、Webブラウザ上でネイティヴで再生できるようにコーディングされた動画を置いている。ブラウザから動画をダウンロードするとき、従来は動画のフォーマットがいくつもあることによって、再生できないなどのトラブルが出てくるものだが、HTML5ではそういうことが起きにくくなるんだ。ただし、HTML5のブラウザでネイティヴで読み込めるのは、8つのフォーマットだ。 受講者: フォーマットについて質問です。HTML5のブラウザ上で読み込めるフォーマットの数はもう少し多かったように思うのですが、なぜ8とおっしゃったのでしょうか?  それは少々複雑な事情が絡み合っている。そうなった理由はこうだ。ネイティヴで再生できるフォーマットに関しては、リストを見つけてある。僕はMP4をよく使うが、これはHTML5のブラウザ上で読み込める形式の1つだ。どのフォーマットが対象の形式かを示したリンクを貼っておく。

 これは、僕も思わず笑ってしまったんだが、問題は少々トリッキーだ。Googleはコーデックをオープンソース化している。だから特許使用料は無料だ。でも、この形式が対象になっているブラウザはそれほど多くない。他にも無料で使用可能な形式としてデザインされたものもあるが、これもあまり普及していない。一方でMP4は広く普及しているが、微妙に特許の地雷源的な感じがある。そんなわけで、MP4をサポートしているブラウザも、本当はMP4なんか嫌いなのに渋々サポートしているってわけだ。でも、これが実質的に最も普及している形式だ。  だから、僕も動画はMP4にエンコードする。それで、ブラウザもハッピーだ。とは言うものの、この状況は多少流動的だ。もし君たちがHTML5ネイティヴの形式を探してみたら、そういうWebページを見つけるだろうけれども、状況は少しずつ変わる。どのブラウザがどの形式をサポートしているかなんて僕には確かなことは言えないんだ。(それが理由だ。)  いずれにせよ、僕はMP4をネイティヴの動画の形式として選んだ。ここにいる諸君に実例をお見せしよう。FabAcademyのWebサイトに戻って、「入力デバイス」のページを見てみて欲しい。ブラウザ上でネイティヴに動画を再生するっていうのはこんな感じなんだ。ここにはMP4ファイルへのリンクが4つある。これらはWebの解像度でコーディングされたものだ。 受講者: 動画はYouTubeとかにアップロードするようにおっしゃっていたと思いますが。  その通りだが、厳密には、ちょっとニュアンスが違う。学生諸君はそれぞれ毎週ごとに数MBオーダーのファイルを作成することになる。数KBだと不十分だし、数十MBから数百MBだと十分すぎるというか、リポジトリにとっては大きすぎる。だから、動画のサイズが数Mバイトに収まるならリポジトリに置いてもいい。それより長い動画であれば、動画投稿サイトなどに置くべきだ。  ここで、重要なことを伝えておく。リポジトリに置いていけないものは2つある。動画とSTLファイルだ。STLファイルは大きいものだと数十Mバイトにもなる。  とは言え、諸君に課した課題はリポジトリに提出することが前提だ。講座のページから外部のページにリンクを貼るのは、ナシだ。いくつか理由がある。まず、僕たちは君たちの作品をチェックする必要がある。次に、君たちの作品をドキュメント化する必要がある。そして、僕たちは君たちの作品を保存する必要がある。だから、外部のリンクには頼りたくないんだ。だから、全ての学生の作品はリポジトリに保存する必要がある。めちゃくちゃでかいファイル以外は全てね。でかいファイルはシェアリングサイトでシェアしてくれたまえ。

つづく

講義の目次は【和訳版】FabAcademy 2016からご覧ください。

※この記事はFabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。

閲覧数:4回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Lesson 13. 出力デバイス §4. LEDマトリックス

●LEDマトリックス 次に紹介するのはLEDマトリックスだ。 動作しているのを見てみると、ディスプレイの一部分が表示されているのが見えるだろ? 僕はディスプレイの一部分を用いてラスタリング(画像を色のついた格子状のドットで表現すること)を行なっているんだ。 ●Charlieplexing これは便利な技で、Charlieplexingと呼ばれる。 このLEDは大量購入すると6セント

Lesson 13. 出力デバイス §3. 調光LED

●調光LED さあ、ここから僕は多くのデバイスを紹介していこう。 最初に紹介するのは、色調を変化させることのできるLEDだ。色を周期的に変えることができるんだ。 これが、その部品だ。 この部品には赤と緑の、青のLEDが1つのパッケージに含まれている。大量購入すれば、40セントで買うことができる。これらはスタジアムとかにある巨大なディスプレイに用いられていて、これがスタジアムでは1ピク

Lesson 13. 出力デバイス §2. 電源

●電源 今回の課題のゴールはたくさんのバッテリーを使うことじゃない。モバイルにしなくちゃならない場合を除いてバッテリーを使うのはお勧めしない。一般的には各Labは各種電源を取り揃えているはずだ。 今から紹介するベンダーMARLIN P. JONES & ASSOC. INC.は数多くのベンチサプライ(電源)を取り扱っている。 きっと諸君はこれらの各種電源をプロジェクトに用いることになるだ

bottom of page