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Lesson 3. コンピュータ制御による切断工法 §21. レーザーカッターに適した素材

最強の素材、段ボール

 さて、素材に関して説明しよう。  今回の講義では段ボールについて詳しく見てきた。僕は段ボールを使って何か作るのは好きなのだが、この素材からは埃が出やすい。でも、段ボールは偉大なる素材だ。再生可能だし、リサイクルでき、安くて、しかも軽い。それでいて、驚くほど強い。段ボールを使ってイケてる家具を作ることもできる。  段ボールについては色んな側面から語ることができる。  ひとつは、「エッジグラッシュ・テスト」だ。段ボールとはなんぞや、という問題を理解する上で最もシンプルな方法だ。  段ボールを一枚用意しよう。

 そして、曲げてみる。

 もし、これがよじれてしまった場合は、段ボールが悪い。弓なりに曲がればOKだ。曲げようとしても頑なに曲がろうとせず、よじることができないものが望ましい。こういう段ボールは弓なりに曲がるだけだ。

 弓なりに曲がる段ボールは、良い段ボールだ。これを使えば、良いジョイントができる。逆に、曲げようとしたときに段ボールがよじれるようならば、圧縮性が高すぎるので、あまり良いジョィントにはならないだろう。  だから、構造的な段ボールを買おう。重量物を輸送するための箱なんかは、素晴らしいので、探してみると良い。重厚な段ボールを手に入れたら、捨てずに取っておこう。レーザーカッターを使う際に、良い素材になる。

 また、仮に、他の素材を使う予定であったとしても、常に最初は段ボールを使ってプロトタイプをデザインするというやり方をするのは、素晴らしい考え方だ。なぜなら、安価で作り替えるのも簡単だからだ。また、後で違う素材でデザインし直すこともできる。段ボールをレーザーカッターで切断すると綺麗に仕上がる。 木材は制限あり  木材をレーザーカッターで切断することもできる。ちょうど良い例がないのだが、この場合は板厚の制限が出てくる。しかし、切断することは可能だ。

アクリル、ポリアセタールは良好  次に、アクリルについてだ。アクリルには色んな種類のものがある。レーザーカッターでアクリルを切断すると、良い仕上がりになる。デルリン(ポリアセタール)は構造的な素材で、綺麗にレーザーカットできる。今話した2つの素材はレーザーカッターに向いた素材だ。

ポリカーボネートはとりあえず諦めよう  ポリカーボネートは、先ほどの樹脂に比べると比重が高い。レーザーカッターでは切断できない。出力を上げても、煙を出すのがオチだ。マシニングや、ウォータージェット、もしくは、もっと強力なレーザーを使えば切断することができる。 金属はどうしようもない

 金属は今回紹介したようなレーザーカッターを使って切断するのは難しい。実際のところ、金属はよろしくない。レーザー光線を反射してしまうんだ。キロワットレーザーであれば、金属を切断することができる。また、ファイバーレーザーも金属を彫ることができる。だが、普通の小さなCO2レーザーじゃどうしようもない。 塩ビはやばい

 ポリ塩化ビニルは、やばい。レーザーカットしようとすると、塩化物が発生する。塩素ベースの臭い排ガスが充満することになる。実際ものすごく臭い。ポリ塩化ビニルから発生したガスはどこにも行かず、レーザーの周りに充満する。ポリ塩化ビニルかどうかなんて見た目じゃわからない。だから、基本的に次のポリシーに従うべきだ。それは、出どころの分かっている素材のみを加工する、というものだ。もし出所がわからないようであれば、少し削り取って、火にかけてみよう。何か色がついたら、それは悪い知らせだ。その素材をレーザーカットしてはならない。

レーザーカッター使用ポリシーに従うべし

 一般的に推奨されるのは、どこから調達したか、どんな成分含有されているか、という情報が分かっている場合にのみ、レーザーカットを使って切断するというルールに従うことだ。

つづく

講義の目次は【和訳版】FabAcademy 2016からご覧ください。

※この記事はFabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。

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