デジタル加工機
ところで、これに関する豆知識だけれども、僕の教え子でNASAにいるKennyについて話そう。 彼らは、この写真にあるような機械の次の世代に当たるマシンを作った。そして、そのマシンはまだNASAにある。AMES研究センターの研究者たちは、従来とは異なるコンピュータを作った。そして、そのマシンについては君たちは今でも見ることができる。このことについては後ほどお話ししよう。このマシンはリボソームの仕組みを真似たものなんだ。
図. Kenneth C. Cheungの研究内容
(Fab Academy 2018 Introductionのスライドより)
デジタル革命の黎明期 今説明したように、コンピュータ制御の加工機は1950年代から存在していた。その時代においては、これらはデジタル革命だった。これらは Claude Shannon が示し、この世に生まれたものだ。
図. Claude Shannon
デジタルコミュニケーション。これが意味するものは何か。彼が世に提示したものは何か。 僕は、僕の声を波として君たちに伝えることができる。ちょうど今、やっているようにね。でも、距離が遠くなると、これは届きにくくなる。しかし、そういう場合でも、信号を送ることで何かを伝えることができる。 彼が提示したことは、こういうことだ。もしも、僕が僕の声を信号として君に届けたとしたらどうなるかということだ。物理的な要素に対して、線形的に増加するものは信号として表現することができる。複合時のエラーは指数関数的に減少する。 リソースが線形的に増加することによって、エラーを指数関数的に除去することが可能となり、このことによって信頼性の低いデバイス間であっても、信頼性の高い通信が可能になったんだ。そうやって、僕たちはインターネットを手に入れることができた。 今やこれは、僕が今君たちに話しかけている手段となった。
デジタル技術のコンピュータへの応用
John von Neumann 、彼は惜しくも先日(2016年1月に)亡くなった Marvin Minsky のアドバイザでもあった。Marvinはコンピューティングのデジタル化における僕のメンターだった。
図. John von Neumann
Von NeumannはShannonの理論をコンピュータに応用してそれを成し遂げた。コンピュータは、かつてギアとプーリでできていた。それらは時間とともに劣化する。彼は信号によるコンピューティングによって同じ特性が得られることを示したんだ。
エラーが指数関数的に減少するから、信頼性の低い機器が、同時に信頼性を確保しつつ計算することができるんだ。
( つづく )
講義の目次は 【和訳版】FabAcademy 2016 からご覧ください。 ※この記事は FabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。