マイクロ資本を手に入れよ 何を突飛なことを、と困惑している方も多いだろう。金の卵の方が、よっぽど実現可能性が低いのではないか。そう思うのは当然のことだ。 でも、僕たちは金の卵を手に入れるための羅針盤をすでに持ってる。地図はない。でも、確実に羅針盤の針はそちらの方向を指し始めている。 僕は、この金の卵をマイクロ資本と呼ぶことにした。資本などと呼ぶからには、事業を行うための元手にならなければなるまい。資本は経済学で生産要素と呼ばれる土地、労働、資本財から成る。そして、資本財は経営資源として経営に用いられる。それはすなわちヒト、モノ、カネからなると言われている。 資本の三要素 今挙げた要素は皆、例外なく、手に入れるのが以前よりも容易くなっているものだ。それは土地ですら例外ではないと僕は思っている。 土地 土地の話は、３つ目の障壁とも深く関係している。だから、その時に改めて書こうと思う。 AIという労働源 労働に関しては、今後のAIの台頭により、ますます自動化が進んでいくだろう。これは僕がここに書かずともお分かりのことだろう。ここで大事なのは、これらのAIを僕たちが思うように使用することができるかどうかってことだ。制約があるとすれば、何なのか。その制約が僕たちにどのような不利益をもたらすのか。それを深く理解していかなくちゃならない。 ヒト 資本財はヒト、モノ、カネという要素に分けることができるが、最初のヒトという項目は、先ほどの労働の話ともオーバーラップする。しかし、人間がすべてAIに代替されるとは僕は思っていない。なぜならばフロンティアを開拓するのは、少なくとも今のところ人間の方がAIよりも得意だからだ。AIは何かにハマることはできない。そして人がハマる対象というのは、時に不合理なものであったり、理解し難いというようなものである場合も多々ある。だから、AIが嗜好というものを持ち得たとしても、彼らには進出することのできないフロンティアは依然残されているのではないかと僕は考えている。マイクロ資本を手に入れた人間は、これまでに増して自分たちの興味を突き詰める機会を多く得ることになる。そのような人間とAIがタッグを組むことで次世代の概念が次々と生まれてくるようになるだろう。 モノ そして、モノに関してはデジタルファブリケーションのテクノロジーが個人の手に広がりつつある。これは、マルクスやエンゲルスも眼が飛び出るほど驚くような出来事だ。そもそも、生産手段というものは資本家しか持ち得なかったものだ。生産手段がないからこそ、労働者は資本家に搾取されている、と彼らは論じていたのだ。だから、そもそもデジタルファブリケーションというものは皆がマイクロ資本家になるためのツール群と言っても過言ではない。 カネ 次はカネの話だ。これも、この10年で革命的な進歩を遂げつつある。ブロックチェーンにより分散化された信用という概念は、国家によってコントロールされている貨幣というもののパラダイムを転換しようとしている。技術的には誰もが通貨を発行することが可能になった。これが、従来の通貨を代替するのかどうか、僕には分からないが、新しい概念を僕たちが手に入れたのは疑いのない事実だ。この概念がマイクロ資本の一角を担う可能性は非常に高い。 何かが足りない 材料は揃っているように見える。でも、何かが足りない。僕にはそう思える。結局、AIを動かしたり、デジタルファブリケーションのツールを動かすのにもお金がかかる。仮想通貨のバブルも弾けたように見える。それらをマイクロ資本と呼んでしまうのは、まだ物足りない。 では、何が足りていないのだろうか。僕が思うに、ここにはエネルギー革命が足りていない。第1次産業革命では蒸気機関、第2次産業革命では電気というエネルギーの進化が起こった。次の変革にもエネルギーのパラダイムが覆ると考えるのは自然の流れだ。
では、僕たちがマイクロ資本家になるために起こるべきエネルギーの変革とは一体何なのだろうか。それは、電気エネルギーが実質無料で手に入るという概念だ。 （つづく）
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