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次のエネルギー革命がマイクロ資本をもたらす原動力となる

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産業革命の三要素 テスラ・モーターズのイーロン・マスクCEOは若かりし時にこう考えたそうだ。これから世界を変えるためにインパクトのある分野は、エネルギー・交通・そして情報分野だ、と。だから、彼はPayPalという情報分野のスタートアップを成功させた後に、スペースX、テスラ・モーターズという交通分野だけではなく、ソーラーシティというエネルギー分野にも進出したのだと言う。 蛇足だが、このエネルギー・交通・情報分野の発展というのは第1次産業革命でも見られたことだ。蒸気機関というエネルギーが、蒸気機関車という交通のテクノロジーを飛躍的に進化させ、印刷機も蒸気仕掛けになることでより多くの人に情報を拡散することができるようになった。第二次産業革命期にも、電気、自動車、電信と、3つのテクノロジーは同時期的に進化した。 エネルギーは産業革命の三要素の1つだけれども、交通分野もAIの発達と共に、自動運転という次のパラダイムに進化しようとしているし、情報に関しては、すでに僕たちはIT革命を経験してきている。さらに、ITは情報という概念を、物体にまで広げるだけに留まらず、貨幣として振舞ったり、どこでもドアのように振舞ったり、果ては人間の想像力の及ぶ範囲であれば、何でもありの世界の扉をこじ開けようとしている。そういう訳で、僕たちが新しい産業革命の真っ只中にいることは疑いようもない事実だ。 電力のコストダウンが革命を加速する さて、大いに脱線してしまったが、マイクロ資本の話しに戻そう。僕の仮説はこうだ。電気というエネルギーコストがゼロに近づくことで、AI、デジタルファブリケーション、そしてブロックチェーンの破壊力は激増するだろう。 AIが何かを処理するのにも、3Dプリンタがモノを印刷するのにも、ブロックチェーンが信用を担保するのにも、必ず必要なものが電力だ。そして、そのコストは必ず足枷になる。電力が高ければ、これらの技術も割高で、真に僕たちをエンパワーメントしてくれる存在にはならないだろう。 エネルギー革命は指数関数的に進む いや、でも電力が無料に近づくなんて信じることはできない、と思うかもしれない。それは無理もないことだ。そんな世界はまだ訪れていないのだから。しかし、たとえば太陽電池による発電コストは年々かしている。スワンソンの法則によれば、一年で0.8倍になる計算だ。2020年にはグリッドパリティ(既存の電力と同等の価格)に到達すると言う。そして、その勢いを保てば、2030年代には2020年時点の約1/10の価格に到達し、2040年代には1/100の価格に到達することが予測される。この変化は指数関数的に進むので、現在の僕たちには実感が湧かないかもしれない。でも、情報革命がムーアの法則に従って達成されたのと同じような歴史を僕たちは辿ろうとしているのだ。しかも、風力発電など、太陽光以外の再生可能エネルギーでも同じような傾向が現れてきているという。 ここで、注目してもらいたいことは、エネルギーが生産手段のひとつであるということだ。電気が無料ならば、ゴリ押しで達成できてしまうことはいくらでもある。例えば、真水を手に入れると言う行為だ。海水から真水を得るには、多くのエネルギーが必要となるが、電気エネルギーを投入すれば、設備さえ用意してしまえば、ランニングコストは下がっていく一方だ。 低減するのは水を作るコストに限られたことではないだろう。全ての生産物がその恩恵を得る。その中には、コンピュータを使って生み出された情報成果物も含まれる。電力という無料に近いマイクロ資本を用いることで僕たちは生活に必要なものを生み出すことができるようになるし、それを交換することだってできるようになるだろう。そして、AI、デジタルファブリケーション、ブロックチェーンも例外ではない。 

これで、新しいエネルギー革命がマイクロ資本を手に入れるためのテクノロジーの進化を推し進めるということは納得していただけただろうか。

いや、百歩譲って電力がほぼ無料になる世界が来るとしよう。でも、それは何十年も先の話だ。僕たちが知りたいのは、今何をなせばいいかではないのか。そんな声が聞こえてきそうだ。でも、すでに述べたように「羅針盤は方向を指し示している」。海図は誰も持っていない。誰にもこうすれぼうまくいくという航路はわからないのだ。しかし幸いにも、行き先は分かっている。あと、僕たちがやるべきことはもがくことだけだ。

(つづく)

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