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もう1つのエネルギーインターネット

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エネルギーインターネットとは 再生可能エネルギーのコストは指数関数的に提言して行っている。この事実にEUも中国も気がついているという。彼らは分散化された自然エネルギーをP2Pで取引できる環境を整える準備を始めているだけでなく、EUと中国間でもその電力ネットワークをシェアできるようにしようという構想を実行に移そうとしているという。 一方日本では、そのような議論が巻き起こっている気配もない。それどころか、自然エネルギーはつねに過小評価され続けているというのが実際のところだろう。 このままでは、エネルギーインターネットの時代に乗り遅れてしまうかもしれない。これは、マイクロ資本を僕たちが手に入れるために取りこぼしてはならない条件だ。 しかし、1つ希望があるとすれば、この国はもう1つのインターネットであるモビリティインターネットの重要性に気づきつつあるということだ。自動運転車が縦横無尽に走り回る世界という構想を聞いたことがある人は少なくはないだろう。自動運転車は、交通・ロジスティクスの概念を一新させるはずだ。そして、幸いなことに、エネルギーインターネットをこのモビリティインターネットのインフラに乗せて仕舞えば、大規模なインフラ改修なくエネルギー網は次のパラダイムシフトを成し遂げるだろう。そして、その鍵はバッテリーの輸送というアイディアにより成し遂げられるのではないかと考えている。 モビリティインターネットとエネルギーインターネットの統合 荒唐無稽な考え方かもしれない。少なくとも現時点では。なぜなら、どう考えてもバッテリーのデリバリーなんて送電線から供給される電気に対してコスト競争力を持ち得ないからだ。 しかし、バッテリーのエネルギー密度は今後も向上を続け、しかも電力自体はゼロコストに漸近しつつある。つまり、どこかの時点でそれは逆転して然るべきだ、ということだ。そしてその逆転劇は今後20年内に起こる可能性が高い。 そして、このバッテリーデリバリー方式の長所は、今後も過疎化する日本の地方でインフラ整備を必要としないという点だ。自動運転車とドローンを組み合わせて、どんなところでもエネルギーを届けることができる。 また、災害発生時にもこの方式のレジリエンスの強さは発揮される。電力のデリバリーは巨大なインフラを必要としないが故に、一部が機能不全になっても、それを補完し回復させることは比較的容易だ。機能不全になった部分を入れ替えるだけでいいからだ。これは高度に分散化されているシステムだから成し得る技だ。 もう1つの視点としては、このシステムが成功することによって、既存のインフラを用いたエネルギーインターネットが整備されることが予想される。そして、それは望ましいことだ。なぜなら、それは僕たち市民をエンパワーするものだからだ。 しかし、それによって、モビリティインターネットと一体化しようとしているエネルギーインターネットが駆逐されるのではないかという危惧を持たれる方もいらっしゃるだろう。 だが、僕はそうならないと考えている。きっちり棲み分けがなされると思うからだ。確かに都市部においては、既存のインフラを用いたほうが効率が良いだろう。それは疑いのないことだ。もちろん、モビリティインターネットと一体化した形式の方がコストメリットを保ち続けることができれば、都市部においても重要なインフラになる可能性は秘めているかもしれない。しかし、集約された都市部では、従来のインフラをアップデートした方が効率がいいように思う。だから、都市部は本丸ではない。本丸は過疎化の進む地方と後進国だ。インフラが老朽化したが改修出来ない地域や、そもそもインフラがない場所で本領を発揮するのではないだろうかと、ぼくは考えている。 では、具体的にどのようなシステムが望ましいのか考えて行きたい。 (つづく)

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