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Lesson 9. 機械設計 §8. 力の伝達

ギア 僕たちは力を伝達しなきゃならない。そのための1つの方法は、モータギアを用いる方法だ。 ギアはこのように、直線ではなく曲線状の輪郭となるように作られている。そして、この曲線は インボリュート曲線 と呼ばれる。これは重要だよ。 では、なぜ、曲線状なのだろうか。 もしも、直線状の歯車がかみ合っている様子を想像してみてほしい。これが回転した時、接触部が外れる。接触が不連続になるんだ。 そして、このようなインボリュート曲線を用いた場合を見てみよう。この場合、常に1つの点が接触している。この接触点により連続的な力の伝達が可能となる。 そういうわけで、良いギアを設計するポイントは、ちょっとしたことなんだ。それは、回転されるときに確実に、連続的に力を受け続ける事ができるようにするってことだ。そういうわけで、ギアは力を伝達するための1つの手段だ。 プロスケット ここで、力を伝達するための、もうひとつの方法を示そう。それは、ギアではなくプロスケットを用いる方法だ。 プロスケットはベルトと力の授受を行えるようにデザインされている。ベルトには極めて伸縮性のあるものから、比較的硬い強力なものまで幅広いものが存在する。 もしも君たちがもっと大きな力を入れて扱いたいのであれば、ベルトを使わずにチェーンによる伝達を選択することも可能だ。これは騒音が大きいし、摩擦による機械的な損失が大きい。そして、精度を欠くがね。 モータからシャフトへの力の伝達

●リードスクリュー モータと駆動シャフトの力の伝達においては、リードスクリューを用いる方法がある。そして、最もよく用いられる方法の1つなんだけれども、僕たちは特殊なナット(アンチバックラッシュナット)をリードスクリューと一緒に用いる方法を用いる事ができる。 これらのナットの機能の1つは、力を精度よく伝える事だ。そしてこれは重要な事だけれども、バックラッシュなしで行う事ができる。

そして、君たちが組み立てることになるマシンの中には、Nadyaがよく用いるベンダーのステッピングモータが組み込まれている。このモータは組み立てられたリードスクリューに接続されていて、それらにはアンチバックラッシュナットが組み込まれている。このようにして完全な駆動キットとなるのだ。 シャフトとモータを接続するということは、びっくりするくらい難しいし、煩わしい。モータの設計者は通常シャフトに接続しやすいようにモータを設計してはいないんだ。 では、どうやれば良いのかお見せしよう。この方法は、シャフトを保持する方法として非常に優れている。 

受講者:質問です。機械に部品を固定するには寸切りボルトやネジを使わなければなりませんが、どのようなタイプのものを選択すべきでしょうか? うん。まさに全体をカバーするような質問だね。それは、かかる力にもよるし、どの程度、精度の再現性が必要になるかも関係してくる。 僕たちが全てのLabに伝えているのは、ある特別な場合の対処方法についてだ。しかし、これに囚われる必要はない。むしろ、こりゃ便利だ!と思った時に使って欲しい。 

では、アンチバックラッシュナットと組み合わされたリードスクリュー(すべりネジ)についてお話ししよう。これはモータと一緒に用いられる。 これ( [m]MTM )は、機械のデザインを始める上での、完全なるミニマルキットと言えよう。ここに何でも加える事ができる。 受講者:先ほどの質問の続きです。固定用のネジと、リードスクリューやボールネジに価格の違いがあります。これはなぜなのでしょうか? Nadya Peek:それらには、私は大きな違いがあると思いますよ。 たしかに価格の違いがあるね。しかし、これらの部品にはグレードがある。グレードの高い品物を選択すると、格段に高価になる。だが、そのような部品を選択すると繰り返し精度がはるかに向上するんだ。 絶対ってわけじゃないけれども、コストはアプリケーションによって変わってくるんだ。

Nadya Peek:もしもリードスクリューについて物理的にもっとよく知りたいのであれば、説明しましょう。 Nadya Peek:リードスクリューにはバックラッシュがあります。しかし、アンチバックラッシュナットを用いる事でこのリードスクリューに沿ってガタつきなく動く事が可能になるのです。このようにして、バックラッシュを避けるために対処する事ができるのです。 Nadya Peek:そして、ボールネジはナットとスクリューにベアリングの球を介して接触しています。だから、格段に高精度な位置決めが可能となるのです。 Nadya Peek:また、これらの球が循環する際には、熱の消散の機能も果たします。これは、接触面の減少や増加など、摩擦に関係の深い項目についての対策になっているんです。 これらは例えばデスクトップ型のShopBotのステージにも用いられている。しかし、ボールネジはリードスクリューとアンチバックラッシュナットの組み合わせよりもはるかに高価だ。 Nadya Peek:そして、リードスクリューとナットを用いる場合、標準的なナットを用いることもできますし、あるいは、ナットのガタを補正する機構を待つナットを用いることもできます。

Nadya Peek:このような、アンチバックラッシュナットには、3つの部品が用いられています。この部品が、スプリングに組み合わされていますね。このような部品が3つあるんです。そして、このスプリングがスプリング受けを押して、リードスクリューのネジ山を押さえるのです。

Nadya Peek:プラスチック製のものになると、このナットは大きくなります。それでも、このメカニズムによってリードスクリューに対して固定されています。 Nadya Peek:これらのナットは、ひとつの部品ではなく、組み立て品です。組み立てによる複雑性によって、これらのナットは高価なのです。でも、よりよりパフォーマンスを得る事ができますよ。 Nadya Peek:もうひとつ知っておいて欲しいことは、リードスクリューには4つの筋があるということです。ひとつの筋はここからスタートしています。そして、これは他の4つの筋と共に設けられているのです。 これは、ひとつ分のピッチではなく、4つのピッチで溝が設けられています。つまり、モータが一回転するとナットはリードスクリューに沿って移動しますが、1ピッチ分だけではなくて4ピッチ分移動するんです。モータがちょうど一回転すると、1ピッチ分は2mmなので、4ピッチ分移動すると8mmになります。

Nadya Peek:これがまさに、リードスクリューを用いる理由です。比較として例えばタイミングベルトを用いる場合には、遅すぎるっていう問題に直面します。用途によってはイライラしちゃいますよね。 Nadya Peek:また、私はこれらを、バルクで買うことはコストの節約になると思います。もちろん、棚ごと買うなんてできませんから、簡単ではないでしょう。でも、コネクタやリードスクリュー、ナットなどを含めたモータのアセンブリ全体のコストは30ドル以下に抑えられます。一方で、部品が壊れて交換したい時、このナットだけでもMcMastet-Carrで購入すると37ドルもするんです。だから、セットで購入する事でお金をかなり節約する事ができます。 

(つづく) 講義の目次は  【和訳版】FabAcademy 2016  からご覧ください。 ※この記事は FabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。          



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