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Lesson. 12 型を用いた成形工法 §2.成型法の種類

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成形方法の種類を見ていこう。 ●射出成形 まずは射出成形だ。 たとえばこの部品は射出成形で作られている。 典型的な方法は型を製作した後、樹脂ペレットを準備して、スクリューによって加熱しながらペレットに力を加えるやり方だ。 多くの場合、型には非常に強い力を加える。 用語を押さえておこう。

スクリューは樹脂を型に押し出す場所だ。 ランナーは融解した樹脂が型に流れ込む経路だ。飛行機のプラモデルキットを買うと不要な部分を壊して部品を取り出すよね。その部分がランナーだ。 ゲートは型のキャビティ(cavity:隙間になる部分)に使う場所だ。型のキャビティに、樹脂を満たす。 ヴェント(vent:抜き孔)はキャビティ内の空気が抜けていく場所だ。 パーティングラインっていうのは、型の両側を分割する場所だ。見えにくい場所に配置する。 そして、フラッシングは、出来上がった型の状態が良くない場合、成形した部品の間に素材が残ってしまう。この部分を修正しなきゃならない。

もしも、君がうまく型を作ることができたら、フラッシングは見えなくなる。 ブロックを製造しているレゴの工場を訪れてみれば、型は非常に美しくデザインされている。フラッシングもないし、パーティングラインもなく、ブロックのエッジも正常だ。つまりブロックは完璧に生産される。 良好な部品を生産するのには多くのプロセスを必要とする。しかし、このような製品の射出成形を行うためには、まずマシニングを行い、樹脂を溶かし、型に流し込むので、高圧と高温に耐えられる方が必要になる。 ●インサート成形 インサート成形は部品を型の中に配置して行う方法だ。その部品の周囲に樹脂を成形するんだ。 僕は一例として電子部品の周りに成形する例について話そうと思う。 ●真空成形 真空成形は材料を加熱して軟化させたところで真空引きを行う方法だ。これは包装容器などを製造する方法だ。僕たちが買う多くの製品のパッケージはこのようにして製造されている。 ●ブロー成形 ブロー成形は型の中で材料を膨らませる成形方法だ。使い捨ての飲料用のボトルはこの方法で製造されている。 ●回転成形 回転成形は型を回転させて材料を型の中で動かしながら成形する方法だ。 ●ソフトモールディング さて、僕たちが行おうとしているのは、いわゆるフレキシブルツーリングだ。もしくはソフトモールディングと呼んでもいいだろう。 つまり、切削性の高い材料でリジッドなマスターを削り出して、そのマスターからフレキシブルな方を作製するんだ。そして、その型の中で成形を行う。 僕たちがこのようなプロセスを採用する理由は、リジッドな型を用いた場合、型を外すのが困難だからだ。垂直な方向に取り外すことは容易ではないし、簡単に挟み込んでしまうのでそれをどうにかしなきゃならない。僕はこれらの方の取り外し方に関しても説明しようと思っている。 フレキシブルな型を用いた場合、方の取り外しは非常に簡単だ。君たちは部品の周りに型を形作れば良いだけだ。

つまり、この方法ははるかに簡単に型を設計することができるし、フレキシブルモールドを作製すれば型の取り外しも容易なんだ。 そして、君たちは片面の型を作ることができる。僕が先程お見せした例は、二面の型だった。しかし、君たちはこれのさらに先に行くことができる。 これは数年前の受講者の作品だ。 彼が行ったのは、6面の型を作って作成した3つの部品だ。これは隙間ないくらいにきつい型では全くない。だから、彼の制作物にはフラッシングが生じた。でも、それは綺麗に補修することができる。そして、補修を行えばこのようなものが出来上がる。 もし、この形状を見たら、これは3Dプリントされたものじゃないかって思うかもしれない。なぜならば形状が複雑だからだ。しかし、これをよく見てみると、完璧なまでに滑らかだ。密集した固体の部品であり、フィラメントから作られたものじゃない。そして、これは2面の型からではなく、6面の型から作られたんだ。 

そして、君たちがジオメトリを投影図に分解できる限り、驚くほど複雑に入り組んだ部品を得ることができる。型を用いて非常に面白い形状を作ることができるんだ。 君たちもご存知かもしれないが、Kenneth Cheungは、複雑な部品を作製している。たしか12面の部品で、超絶複雑な形状だった。このように僕たちは二つ以上の型を用いることができるのだ。 受講者:質問です。 何だい? 受講者:画面をスクロールして型を見せていただけませんか?ていうのも、僕はそんな感じの型を使ったモノをつくりたいからです。 いいよ。 この例では、彼はこれらの6面の部品を作った。そして、こんな風に組み合わせたんだね。 受講者:この6つの方から部品を形作るのですね。 その通りだ。これは6面の型だ。そして、ここでは成形しているんだけれども、6つの型を引き剥がす。 実際にこのアングルから見ると、3つの型が取り除かれていて一番分かりやすいね。いいかな? 受講者:ええ。詰まる所は型の空間を埋めていく感じですね。 そうそう。そして、こうすりゃ、驚くほど複雑なデザインを行うことができるのさ。 つづく 講義の目次は 【和訳版】FabAcademy 2016  からご覧ください。 ※この記事は FabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。      

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