●イントロダクション こんにちは。今日もFab Academyを始めていこうか。 さて、今週の講義は出力デバイスについてだ。また、エレクトロニクスの分野というわけだ。今回扱う項目は、エレクトロニクスの主要分野の1つだ。僕たちはデバイスにメッセージを伝える通信方法を見ていく。これは、諸君のプロジェクトから出力を得るための全ての方法を網羅する。今回の課題は、諸君が設計しプログラミングしたマイクロコントローラ基板に出力デバイズ追加して、何かさせることだ。再度注意しておくけれども、商用の基板に追加して欲しいわけじゃないからね。僕は諸君らに出力デバイスが搭載されたマイクロコントローラ基板を設計してもらいたいんだ。そして、何か作って欲しい。それは、今回限りの取り組みでも良いし、最終課題の一環としてやってもらっても良い。そして、一から新しい基板を設計したって良いし、すでに設計済みの基板にアクセサリとして追加するのもアリだ。諸君はいかなる開発ワークフローを用いても良い。いずれにせよ、僕は君たちにマイクロコントローラ基板を設計して欲しくて、そこに出力デバイスを追加してもらえれば良い。 今回のテーマは入力デバイスと対になる。あらゆる種類の出力をざっと見ていこう ●安全性 最初に、安全性から話しておかなきゃならない。なぜならば、君たちは出力デバイスを扱い始めることで、より大きな電流や電圧を扱うことになるからだ。 ●電流と電圧の危険性 1mAの電流であれば、諸君の身体は何も感じない。10mAではショックを受け筋肉収縮が起きる。100mAでは死に至る衝撃を受ける。悲惨なことだ。 諸君の体内の電気抵抗値は低い。1kオームくらいだろう。そして、体外から体内に至るまでは1MΩくらいだ。特に危険なのは、電圧や電流が体外から体内に流れる時だ。大雑把な値として、ブレークダウン電圧はkV/mmだ。つまり、これが意味するところは、数十ボルトであれば問題にならないが、数百ボルトだと問題になるってことだ。同じく、mA単位であればマシだが、Aの単位になるとやばい。 ●作業の心得 諸君らは高電圧や高電流のエレクトロニクスに取り組む必要がある。 この時、マシニングを扱うのと同じような類の修練が必要となる。 一人で作業するべからず。作業場所は広く取るべし。加工部品は安全確認ののち取り除くべし。もし、誤った方法で行ってしまったならば、良からぬことが起きるであろう。 ●キャパシタ 特に注意すべきは電源部に搭載されている大容量のキャパシタ(コンデンサ)だ。これは一年くらい電荷を蓄積することができるし、本当にヤバい電撃を食らわしてくる。 だから、大容量のキャパシタが放電されているかどうか分からない時は、まずは、絶縁ツールをを用いて放電すべきだ。 ●インダクタ もし君が、電源を落とすと、大量の電流がインダクタ(コイル)に流れる。それはフライバックと呼ばれる。この時、磁場は降下し、それにより巨大な電流が瞬間的に生じる。 これは損傷を与える。つまり、危険であるとともに、コンポーネントも破壊する。 ●クランプ回路 これらはクランプクランプ回路にすれば良い。僕はこれを保護ダイオードを用いて説明しよう。 諸君は回路内に保護ダイオードを設けることができる。これにより、説明したような遷移状態(サージやフライバック)から回路を保護することができる。また、諸君は確実に電源を供給する方向とコネクタの極性を理解しなくちゃならない。誤った方向に電源を供給してしまったことによりプロジェクトがお釈迦になった例は枚挙にいとまがない。つまり、これは全て低電流を扱うのと比べてはるかに多くの思考と注意を必要とするものなのだ。 (つづく) 講義の目次は 【和訳版】FabAcademy 2016 からご覧ください。 ※この記事は FabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。
Lesson 13. 出力デバイス §1. 安全性
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