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じっちゃんの名にかけて

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◉QC七つ道具

 事件が起こる。名探偵が現場に駆けつけ、色々な証拠を見つけて犯人を特定し見事に解決する。というのは、推理小説によくある筋書きだ。こんな風に名探偵が事件を解決するにあたっては、よく「七つ道具」が用いられる。

 ものづくりにも「七つ道具」がある。これは職場に巣食う品質問題を見つけて改善する探偵集団、QCサークルのひみつ道具だ。(語呂が良いからひみつ道具と言ったが、別に秘密でもなんでもない。)これを使うことで、品質課題の把握から解決まで各段階の活動を効率的に進めることができるようになる。

特性要員図

 この道具は一見FTA(スパイダーマンの贈り物)に似ている。ちょっと横目で見たくらいではすぐにどちらか判別できないかもしれない。

このふたつの手法をの違いは、厳密性だ。FTAには論理記号で記述するというルールがあるのに対して、特性要因図はややルールが緩い。これは特性要員図の方が、柔軟性があるということだ。

 この魚の骨みたいな図を用いることで、僕たちは品質課題の原因を系統的に理解することができるようになるのだ。

チェックシート

 これは、かなり単純な道具だが、どんな問題が起きているのかを探り当てるために重要な役割を担っている。ただチェックするだけで問題を炙り出せるのだから、これをしない手はない。膨大なデータを収集するとともに、業務のミスをなくすためにも役に立つ道具だ。

ヒストグラム

 チェックシートなど、データを収集したら、ヒストグラムにして分析しよう。データのばらつきの状態から、その工程の問題点を推測することができるだろう。

散布図

 これもデータ解析の道具だ。ある品質課題と原因と思われる事象とが本当に相関関係を持っているのかどうかを、検証するときに使える。ただし、注意すべきことは、相関関係は、是即ち因果関係と思い込まないことだ。因果関係がなくても相関関係が現れることはよくあるのだ。そのあたりの見極めが重要だ。

パレート図

 多くの品質課題があるとき、どれから手をつけて良いのか分からなくなることがあるだろう。そういう状況では、人はパニックに陥りやすい。でも、少し冷静になってみよう。重要な課題というのは、影響が大きいということだ。影響が大きいということは、危険性が大きいか、頻繁に起こるか、あるいはそのどちらもだ。頻度を定量的に評価するのに役立つのがパレート図だ。これは、頻度の高い課題から降順に列挙していくことで、どの課題に最初に取り組むべきかを可視化してくれる。

グラフ・管理図

 工程などで取られているデータを経時的にグラフ化するだけでも異常を察知することは容易になる。何事もなければ多少の誤差はあれども、グラフはほぼ横一線のはずだ。それが何かしら特徴的な形になってしまった場合は、何か問題が起こった証拠だ。見つけた人は冷や汗をかくかもしれないが、これにより僕たちは危険を察知し、それを潰しにかかることができる。

層別

 最後の道具は、何だかよく分からない名前だが、層別だ。これは、入手したデータを適切に分類して比較することを意味する。たとえば同じ工程でも、機械Aと機械Bのデータを分けて比較すると、どちらかが故障していて、明らかにデータの成績が悪いということが分かるかもしれない。この方法を使えば、僕たちは漠然としたデータを明確に捉えることができる。

 ここで紹介した七つ道具を手にすれば、品質課題の洗い出しは以前より容易になるはずだ。そして、何か問題が起こったときに「犯人はお前だ!」と言うことができるだろう。でも、これは特定の誰かのミスを責めるために使うべきではないと思う。もちろんミスは改善されるべきだが、そのミスが起こったのにも環境的な要因があるはずで、その根底のところまで掘り下げて考えていく必要があるのではないだろうか。そこまで考え抜ければ、真に事件解決にいたるだろう。

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