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前のめりに失敗せよ③

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◉CAE③

幻の通り道を意識せよ

 2つ目に注意しなければならない点は、解析モデルをどう選択するかだ。同じ条件で設定しても、解析モデルが異なれば結果も異なる。入り口が同じだからといって、中の経路が違えば出口は同じではないことは容易に想像できるだろう。ここでは強度解析の例を示そう。

強度理論には3つの仮説がある。1つ目はは最大主応力説、2つ目は最大剪断応力説、3つ目は剪断歪みエネルギー説だ。

 材料の性質によって、これらの強度理論を使い分ける必要がある。具体的に言うと、延性材料か脆性材料かを予め知っておかないといけない。

延性材料というのは、材料に応力をかけて弾性変形の限界を超えたあとに塑性変形する性質を持つ材料のことだ。この延性材料は最大剪断応力説もしくは剪断歪みエネルギー説を適用できる。

 一方、脆性材料と言うのは、鋳鉄などの脆い材料で、応力をかけて弾性域を超えてしまうとすぐに破壊されてしまう。この脆性材料には最大主応力説を適用することができる。

 だから、CAEの結果をより確かなものにしようと思えば、僕たちは自分が使おうとしている材料がどんな性質を持っているのか把握しておかないといけない。それは、僕たち自身が実際に実験して身につけることもあるだろうし、僕たちの師匠のような人から教わることもあるかもしれない。これは経験で克服できる課題だ。できるだけ多くの経験をしたり、みんなの失敗談なんかも聞きながら、よりよい方法を見つけていくのが良いだろう。この段階で正しく失敗するには、今まで起こしてきた失敗に対する反省を込めて取り組んでいかなければならない。幻はどこから来てどこへ行くのか、もう一度考えてみよう。

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