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目標は高ければ高いほうがいい

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ライフサイクルアセスメント

 もし君が何かクールなアイディアを現実のものにできたとしよう。そして、仮にそれが地球に多大なる影響を与えるものだったとしよう。そんな場合でも君は本当に胸を張っていられるかどうか、ちょっと考えて欲しい。

「いや、そんなアイディアを実現させただけでもすごいことだよ。」と君はいうかもしれない。それはその通りだ。でも、心の片隅にこんな思いもあるんじゃないだろうか。「前世紀的な価値観に飲み込まれてしまって本当に良いのだろうか?もっと、未来を見ていなければクールじゃないんじゃないだろうか。」なんていう思いを。

 持続可能性を考えることは、これから僕たちや僕たちの次の世代が生きて行く上で欠かせない要素の1つだ。なぜなら、これは僕たちの生存に関わる問題だからだ。22世紀が始まる頃、地球上に人類が繁栄しているかどうかは僕たちにかかっている。もう時間はないのだ。僕たちはすでに地球の異常を観測し、それが壊れつつあることを認識している。

 でも、まだ間に合わないと決まったわけではない。何か手はあるはずだ。そして、その解決策を掴むためには、僕たちの地道な取り組みが必要となってくる。

 僕たちはものを作る。だから、ものを作る時にどれくらい地球環境に負荷をかけるかということを認識しておく必要がある。

 僕たちが提供する製品やサービスが、どの程度、環境に悪影響を与えるのかを可視化する手法を、ライフサイクルアセスメントという。これは、商品ごとに製造、輸送、販売、使用、廃棄、そして再利用について、どの程度の環境負荷を与えるのかをそれぞれ見積もり、その改善策をステークホルダーと一緒に考えて行く環境影響評価の手法だ。

 その一環として、環境配慮設計という考え方がある。これは、ライフサイクルアセスメントの中でもとくに開発と設計に的を絞ったもので、環境工学の一分野でもある。

 それだけだはない。ライフサイクルアセスメントは、僕たちが自分たちのその製品を購入するか否かの意思決定を行う際の指標のひとつとなりえるだろう。その製品が今まで使用していたものより環境性能が優れているのかという比較が行われ、優れているものでなければ選ばれることはないなかもしれない。

 また、地球温暖化という現象の影響が顕在化している近年においては、カーボンフットプリントをはじめとする環境指標という概念も注目を浴びている。ライフサイクルアセスメントの手法はこれらの指標の計算ツールとしても用いられ、その重要性は増している。

 このようなツールを使いこなすことで、君のアイディアは、さらにブラッシュアップされるだろう。すぐに取り入れてほしいとは言わないが、最終的にはそこを見据えていてほしい。それこそが、クールな姿勢じゃないかと僕は思う。

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