◉コンカレントエンジニアリングの組織構成
コンカレントエンジニアリングでは、製品のライフサイクル全般に対して、リソースの配分を決定できる権限をもつ人が全体の責任者になる必要がある。仕事の幅が広いので、そういう権限を持った人がいないとまとまらないのだ。君がそういう権限を持っているのであれば、経営判断を行い、結果に対しては責任を取らなければならない。
そして、実務の推進役としてプロジェクトマネージャを君の仲間から選任する。プロジェクトマネージャは基本思想を書き記した企画書を作成する役割がある。製品の開発部門の人が適任だが、生産技術部門のメンバーをサブリーダーとして協力して業務を進めていくほうが全体のバランスを見やすい。プロジェクトマネージャを選任するときは、君がよほど信頼できる人物でなければならない。なぜなら君は、実際的な業務を彼らまたは彼女らに託さなければならないからだ。
業務を割り振る役割もプロジェクトマネージャが担う。社内外のリソースに対してどのような役割を求めるのかを計画し、全体の責任者の承認を得た後に、実際の交渉を行う。
実務を行うメンバーは高いスキルが必要とされるので、プロジェクトマネージャにはそういう人材を集めてくる仕事も出てくる。
プロジェクトマネージャは実務を一通り管理して進めていく仕事を担うが、全体の責任者はプロジェクトマネージャの後ろ盾として強力にサポートする存在だ。プロジェクトマネージャに実務の全てを託し、経営判断を行う。だからプロジェクトマネージャと責任者の信頼関係はかなり強いものでないと成り立たない。お互いが相手に任せて大丈夫と思える関係が、プロジェクトを円滑に進めるために重要だ。
こうして見ると、仲間を集めることの大切さが見えてくるだろう。やはり仲間を集めるには掲げるミッションと組織の文化が大事だ。こういう実際的な部分でも、根本的な方向性が重要になってくるのだ。