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情報の流れが鍵となる

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◉組織内情報伝達

 智慧の集結の鍵となる要素は何だろうか。僕たちは組織の叡智を一箇所に集めるために、基本思想をメンバー全員で共有するという方法を採用した。でも、計画がそのまま上手くいく場合は非常に稀だ。実際は何らかのトラブルに見舞われる。それは想定範囲であったり、まったく想像だにしていなかった事柄かもしれないが、いずれにせよ僕たちはそれに対して何らかの決断を下さなければならない。それはタフな道だが、情報伝達が円滑に行われていれば、早めに手を打つことができる。だから、なるべくダメージを受けずに計画を進めていくには情報伝達が大切になる。叡智を集める際に鍵になるのは情報伝達がいかに効率よく行われているかだ。また、情報伝達には二方向の伝達がある。ひとつはトップダウンでもうひとつはボトムアップだ。トップダウンの情報伝達は基本思想の伝達に始まり、組織としての経営判断を確実に組織全体に浸透させることだ。それに対してボトムアップの情報伝達は現場で起こっている問題などを経営者まで吸い上げてくる方向に情報が流れる。この2つの円滑化を図らなければならない。

 そのためには情報を伝える手段が大事なのだが、やはり組織内の対話はFace to faceが基本でなければならない。なぜなら、対面での情報交換が一番情報量も多く、電話やメールでは得られない効果があるからだ。

 また、ボトムアップで吸い上げられた情報は三現主義を徹底すべきだ。つまり、現場で起きている現物に関する現状を直視するのだ。それは目を背けたくかるようなものであるかもしれない。でも、目を背けていたら、前には進めない。そこには計画を前に進めるための鍵が隠されているだけでなく、新たな地図を僕たちに与えてくれる可能性だってある。三現主義は言い換えれば、一次情報を最重要視するということだ。一次情報というのは、自分自身が見聞きした生の情報だ。それに対して文章や写真などから得られる情報は二次情報と言い、加工された情報だ。これは他人の視点などで切り取られた情報なので、一次情報に比べると情報量は少ない。一次情報であれば、自分の視点というものを持ち込むことができ、そこに隠された真実を見出すこともできる。そこから何らかの解決策につながることもあるだろう。

 ところで、情報伝達を阻害する要素は主にふたつある。それはマネジメントギャップと組織間の壁だ。マネジメントギャップというのは上司と部下の間でうまく情報が共有されていない状態だ。組織間の壁に関しては、「書いたまま」なのだが、組織間の交流などがなければなかなかこの壁は越えられない。これらの障壁が情報伝達を阻むのは、役職間や部署間の隔たりが無意識的に心理的な障壁になってしまっているからだと思う。だから、それらを円滑にすれば、これらの壁は低くなってくるだろう。イベントなどで職場や部署間のつながりを深めるという取り組みはよく行われていることだろう。でも、もっと大切なのは「お楽しみ」を設定するよりも、目標に向かう楽しさを皆で共有することだ。これが共有できれば、少々の心理的障壁など軽く乗り越えられる。だからまずは楽しむという姿勢で臨めるのがベストだろう。それが全体の利益につながる。

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