◉メイカーズとコンカレントエンジニアリングに取り組む仲間は誰か?
メイカーズ的なコンカレントエンジニアリングとは製品開発がパラレルに進むことだ、と言っても君は納得しないだろう。それではこじつけにしかならない。やはり、生産技術や品質部門などと同時並行的に進行しなければコンカレントなんて言葉を使うのは適切ではない。では、誰がそれを担うのだろうか。
すぐに思いつくのは、3Dプリンタなどの生産技術系の品物を作っている人たちだ。彼らは大企業に所属しているかもしれないし、個人でメイカーをしているかもしれない。彼らとタッグを組むのは悪くない選択肢だろう。
だが、彼らよりもインパクトの大きいのは、インキュベータやベンチャーキャピタルと呼ばれている組織だろう。彼らの目的は投資だが、ハードウェアスタートアップ専用のインキュベータなどは製品の量産に関する知識、つまり品質や生産技術、コストダウンなどのノウハウを持っている。だからメイカーズがコンカレントエンジニアリングを進めようと考えた時に、手を組むべきは彼らだ。
だが、彼らの目的は投資によるリターンだ。誰もが気軽に利用できるものではない。もっと気軽に利用できるようになれば、ものづくりの生態系は今よりもずっと豊かになるだろう。その形が今の僕にはまだ見えていないが、進むべき方向はその方向だと思っている。どういう可能性があるのか、まだまだ考えていきたい。