◉アーリーシーシングのマネジメント
アーリーソーシングの本質的な効果は業務プロセスの後半の工程における技術開発期間を確保できる点だ。技術開発のスピードが求められる時代だ。もっと時間があれば、完成度を高められたのに、と思う局面もあるだろう。そんな時に、アーリーソーシングを進めることでしっかりと開発期間を確保できる。
このような仕組みが上手くいくかどうかは、マネジメントがいかにしっかり行われているかにかかっている。生産技術に関わらず、品質、調達、環境などに関わる部門があらかじめ、どのような課題があり、解決すべきなのかを把握する。そして、それに対する技術を開発する。このような活動を行う猶予が与えられるようにマネジメントしなければならない。傍目から見れば、一見、無駄な活動に見えてしまうかもしれない。目の前の利益を確保するための活動ではないからだ。組織によっては、「無駄を排除するため」に目の前の利益を確保できるようなプロジェクトに、それらの人材を異動させてしまうこともあるだろう。それが、一見効率的に見えるからだ。
でも、それでは本当に強い組織は作れない。もし、本気で業務革新を実施したいのであれば急がば回れだ。耐え忍ぶことも必要なのだ。何度も言うが覚悟が必要なのだ。