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ひとつの情報をみんなで分かち合う

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◉情報マネジメント

 組織の仕組みづくりの重要性はすでに何度か触れてきた。そしてコンカレントエンジニアリング成否を左右する「情報」に関しても、ルールを定めておかなければならない。だが、複雑なルールがあるわけではない。実にシンプルだ。僕たちはたったいくつかのルールを守れれば十分だ。

基本情報の一元管理

 図面、設計部門以外が参照するため常にアップデートされていなければならない。設計部門は意識して、アップデートしていかなければならない。この管理に役立つのが、PDMやPLMと呼ばれるソフトウェアだ。ただしこれらのソフトウェアは高額だ。導入できるのは大手企業などの組織に限られてしまう。だが、徐々に一般人が使用できるツールも出てきている。Autodesk社のFusion360では、クラウド上にマスターのデータを保管して3次元データを一元管理することができる。また、GrabCADやThingiversなどの3次元データ共有サイトなども一元管理に役立つだろう。あとはGitHubを使用している例もある。GitHubはソフトウェアの管理が主な使用方法だと思うが、ハードウェアのデータも一緒に管理している例を見たことがある。

情報共有

 コンカレントエンジニアリングの肝は情報共有だ。情報を知識として有効に活用するにはどうすればよいか。次の3つの項目を実践することが、その第一歩となる。

①見える化 :情報は棚の中から外に出す。自然と目に触れる環境を作ってやることで、情報は組織内に拡散される。

②時空の共有 :会議を行うことで、メンバーへの周知が可能になる。また、大部屋活動、スカンクワークスなど強制的に時空を共有せる手法も有効的だ。こうすれば、情報は交互に伝達されるようになるだろう。

③文化: 上から下まで自由に発言できる文化が何よりも情報共有を促進する。抑圧的な雰囲気であれば、たとえメンバーを同じ空間に押し込めても情報の交換は活発にはならない可能性が高い。誰もが自分の意見を言うことができるような組織文化を育てていくのが重要だ。

 メイカーズ的な文脈でいうと、これらをバーチャルな場で行なっていくことだ。もちろん強制はできないし、自由に参加できるというのが前提だ。でも、ここにくれば必要な情報が飛び交っているという場を作ることが理想的だ。そのためには、その場を必要としている人たちを集めること。そして、その人たちが何を求めているかを知ること。場を運営する人間はそれに敏感でなければならない。バーチャルな場ではいかに人を惹きつけられるかが重要なのだ。

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