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可能性のあるものは全て試し、絞り込め!

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◉リーン製品開発

 行き先は分かった。でも、行き方が分からない。そんな時、僕たちはどうすればいいのだろうか。

 まず、僕たちがやるべきことは、色々な方法を教えることだ。その中には、目的地に至る道が潜んでいるかもしれない。そして、次にやるべきことは、候補となる道を進んでみることだ。気をつけるべきことは、常にその道の行き先が目的地に合致するのか確認していくことだ。その中で上手くいく道を選択すればいい。

 さらに、仲間がいれば、色々な可能性を試すことができる。仲間と連絡を取り合いながらであれば、どの道に可能性があるのか見えてくるはずだ。そして、可能性の少ない道は諦め、可能性の高い道に合流していく。そして、諦めた道に関しては地図に記す。そうすることで、その道が険しいことを、いずれその道を通るであろう人々に伝えるのだ。

 こんな開発方法をリーン製品開発と呼ぶ。これはセットベース開発とLAMDAサイクルにより構成された手法だ。

 セットベース開発と言うのは、設計構想段階で、課題に対する対応策を数多くだし、徐々に絞り込んでいく手法だ。多くの道の候補を立てて、進んでいくこというのは、このことだ。代替案が多ければ、その中に必ず答えがあるはずだ。やり直しは無駄という考え方の元、一気に答えを見つけにいく。

 この方法は、IT業界にも応用されている。それはアジャイル開発と呼ばれている。その基本思想は、変更の頻発を抑制するため、ある程度魔情報が集まる時点まで最終決定を待ち、複数のオプションを維持するというものだ。

 これらの方法では、大量に不採用のアイディアが生まれる。これは無駄になるのだろうか。いや、そんなことはない。採用されなかった技術は棚入れされるからだ。地図を作り、後続に伝える。同じ作業を後から来た人たちにさせないように、という配慮だ。(とあうか、効率化と言った方が正しいかもしれない。)このように、失敗した案は、不具合メカニズムとしてストックされるが、これは業務を標準化していることに他ならない。

 仮説を素早く検証するのに用いられるのが、LAMDAサイクルという考え方だ。これは、PDCAサイクルのPとDを細分化したものだ。LAMDAとは、Look Ask Model Discuss Actの略で、このような小さな検証サイクルを数多く回すことで、確実性を高める。不確実性を淡々と潰していくことで、最短時間で目的地にたどり着けるのだ。つまり、この方法を用いることは、リードタイム短縮につながるということだ。

 道を探すという行為も、製品開発という観点からだけではなく、生産技術、品質など色々なフェーズで多くの仮説を立てることが目的地への近道だ。そういう意味で、リーン製品開発はコンカレントエンエンジニアリング的だ。

 僕たちは道無き道を行く。だから、目的地に最短でたどり着くためには、このような考え方を常に心がけなければならない。

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