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前のめりに失敗せよ

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◉CAE

 モデルベースエンジニアリングという考え方がある。これは、仮想空間に製品の仮想モデルを作り上げ、評価を行なってあく手法だ。その中でも重要な役割を果たすのがCAE(Computer Aided Engineering)だ。

 CAEは機械技術者が、自ら設計した製品の限界を知ろうとした時に、威力を発揮する。そして、このツールはフロントローディングを進める際に本領を発揮する。このツールで可能なことは応力計算、振動計算、熱伝導計算、流体計算などだ。これらは技術者であれば手計算で求めることも出来るのだが、複雑な形状に対して、どこが限界かを見極める際に有効だ。ただし、材料力学の知識は必須だ。手計算が出来ない技術者には使いこなせないだろう。

 CAEソフトを用いた解析の流れは次のようになる。

1: プリプロセッサで解析用モデル作成

 ・設計者から3D CADデータを入手

 ・メッシュ作成

 ・条件設定

   材料条件

   境界条件

   荷重条件

2: ソルバーで計算

3: ポストプロセッサで計算結果を処理

 ・計算結果をビジュアル的に出力

 ・出力された結果を理解して、設計にフィードバックする

 CAEがフロントローディングに有効なのは、設計部門以外のメンバーの意見を取り入れた形状を、試作せずに試すことができるからだ。たとえば、デザイン部門がデザインを主張すれば、形状と機能の両立を目指すことができる。もちろん他の部門が、その部門のミッションを達成するために提示した要素に関しても検討が可能だ。

 もしも、最適な形状が見つかったとしても、適切な製造方法が決定できない場合はアーリーソーシングすることができる。このようにCAEを用いることでコンカレントエンエンジニアリングは円滑に進めることができるのだ。

 また、Fusion360など、クラウドにマスタを置くタイプのCADソフトにも簡易的なCAEが可能な場合がある。このようなソフトウェアを活用すれば、遠隔地でのコラボレーションにも役立つはずだ。解析結果は瞬時に共有されるから次世代のCAEツールといえよう。世界規模のコラボレーションにも持ってこいということだ。

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