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己を知り、相手を知る

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リバースエンジニアリング

非接触光学式デジタイザ(3次元スキャナ)というツールを使うことで、僕たちは自分自身の製品のことをより深く知ることができる。そして、それは自分たちだけの話にとどまらない。僕たちのライバルについても、同様に知ることができるのだ。

 どういうことか説明していこう。デジタイザの利点は、実物から三次元データを取得することができるということだ。これを3D CADのデータと比較することで、色々な知見を手に入れることができるようにる。このような手法をリバースエンジニアリングと呼ぶ。

 リバースエンジニアリングでは例えば金型設計に生かすことができる。金型の追い込みは、かなり大変な作業だ。思った通りに、成形品の品質を保てないことがあるのだ。ここで、デジタイザの出番だ。たとえば肉厚の不均一などの不良は、デジタイザで、読み込んだデータと元の3D CADのデータを比較することで、容易に見つけることができる。この部分を金型修正し、CAEで改善点を確認。そして、CAMのデータを作成しNC加工する。この一連の流れを実行するのだ。これにより、試作品を量産品の品質へ追い込んでいくのだ。

 そして、自分たちの試作品だけでなく、他社参考品をデジタイザで計測することは、さらなる知見を僕たちに与えてくれる。他社製品はもちろん量産品だ。彼らが満を持して世の中に真価を問うた品物だ。そこには彼らの叡智が詰め込まれている。その3次元データ取得し、仮想金型などでCAEを行ってみる。そうすることで、さまざまな知見が得られるだろう。どこを工夫したのか。どこで躓いているのか。彼らの実力も分かるだろう。

 勝負を制するには、自分自身を知り、相手を知ることが大事だ。その意味で、リバースエンジニアリングの効果は計り知れないだろう。

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