インダストリアルIoT(IIoT)の進化が急速に進みつつある。これはいわゆるindustry4.0と呼ばれているものだ。平たく言えば。トヨタのカンバン方式をみんなで効率的にやろうということらしい。この取り組みが進んでいくことで、バリューチェーンの各役割がが水平分業されるようになるだろう。そしてこれらの智慧が規格として人類の共有資産となれば、その部分の効率性が優位性になる時代は終わりを迎えるはずだ。限界費用まで下がりきった「ものづくり」が人類の共有資産となり、そこには誰もがアクセスできるようになるだろう。もちろんその中には品質を始めとするQCDのノウハウが詰め込まれているだけでなく、安全や環境配慮に関しての知見が盛り込まれることになるだろう。技術的な知見だけでなく、法的、社会的な智慧もAI技術によってサポートされているかもしれない。
ここまで、ものづくりがオープンになれば、何か製品を作ってリリースすることへの参入障壁は著しく低くなるはずだ。そして標準化された製品・サービスから機能を切り取って、自分に都合の良いように作り込めば良い。この境地に至ると、顧客情報をつかみ、自分たちの強みを活かせる製品をつくることが、最も重要となってくる。
このような仕組みが整えば、自分の嗜好に合うようなものを作り、それに共鳴してくれる顧客を探し出すことが重要になってくる。このやり方だと君の作ったものは全世界的なヒットというものにはならないだろう。それでも、君の製品を必要とする人々がある種のトライブ(部族)のようなものになり、それを使い続けてくれるはずだ。このような、小さな営みが数多く出現するような世の中になるのではないだろうかと思う。