◉擬似同期DR コミュニティベースの開発では、DR (Design Review)はどのように実施されるべきなのだろうか?報告者は誰なのか。そして誰が審査をするのか。そもそも、オープンなコミュニティにこのような規律を導入して、プロジェクトはうまくいくのだろうか。
僕自身はある程度の規律がなければ、うまくいくものもうまくいかないと思っている。だから、規律は必要だと思う。そして、規律をもたらすのはプロジェクトの運営者側の責任だ。
DRも節目の確認として重要な意味を持つ。これにより、プロジェクトの実現可能性を可視化することができるからだ。先ほども述べたように、規律をもたらすのは運営者であるべきだ。だからDRを行うかどうか判断するのはプロジェクト運営者だし、審査者もプロジェクト運営者になるだろう。
では報告者は誰なのかというと、コミュニティの意見を代弁できる人物が数人というイメージだ。もしくは運営者の中からそういう人物をえらぶのも良いだろう。しかし、あくまでもコミュニティの代弁者という立場でなければならない。
また、コミュニティからのリアクションを反映させるために、DRは擬似同期的に行うことも大きな意味を持つだろう。
どういうことかと言うと、DRを中継するのだ。ニコニコ動画であったり、USTREAMを使用することで生でDRに参加していなくても、コメントを残すことができる。本格的なDRを実施する前に、局所的にミニDRを擬似同期的に実施することで、PDCAを回し、本格的なDRで審査基準をクリアするのだ。 ここに書いたのはあくまで仮説だ。実際に検証したものではないことは断っておく。だが、コミュニティベースの自由さと、組織の規律という相反する要素を両立させるためにも、この取り組みの有効性を試してみるのも良いのではないだろうか。