◉DSM(Design Structure Matrix)
CAEもメイカーズに馴染み深いものになってくるだろう。オープンソースソフトウェアでも実施可能になってきているからだ。もしくは廉価版のCADソフトでもCAE可能なモデルもある。しかし開発手法のCAE(プロセスCAE)に関してはどうだろうか?おそらくその存在もあまり知られていないのかもしれない。
通常、CAEといえば有限要素法を用いて形状の最適化を行うというものをイメージすると思う。これにより応力解析を実施して、その構造が適切なのかどうか検討するのだ。それに対して、プロセスCAEはDSMを用いたプロセス最適化の手法だ。
やり方はこうだ。図に示したマトリックスを見て欲しい。ここで、工程間ごとの依存性をマトリックス中の「○」で示す。上側の図でいうと例えば、工程Aの後に工程Jが来るという感じだ。これがA~Pの順番で進められるのであれば、手戻りのない最適な順番なのだが、実は、Gの後にBが来るので、この順番では手戻りが生じてしまっている。マトリックスの対角よりも右上の領域は、同様に手戻りが生じている状況だ。
だから、これを演算して下の図のようにするのだ。これで、工程の順番通りにやっていれば、手戻りがない。
この変換をパーテショニングというが、なかなか難しい。要素が簡素であれば手動で最適解を導くことも可能だが、実際の設計プロセスなどは複雑になることが多く、人力で実施するのは難しいかもしれない。
フリーで実施できるソフトウェアがあれば良いのだが。
ハードに使用するのには少しハードルが高いかもしれないが、原理がわかっていれば簡単な確認は可能だ。そういう領域から使っていくことで、君の製品をブラッシュアップさせることができるのではないだろうか。