◉設計手法の定義
ベテランの知見を分かち合うという話をしたが、そのためにやらなければならないことがある。それは、CADデータ作成方法のルールづくりだ。なぜかというと、一度作ったデータを後から流用するためだ。CADデータの作成方法、手順が定義づけができていれば、ベテランのノウハウを若者が理解して流用できるようになる。この場合、3次元データには設計意図とノウハウを詰めこまれている必要がある。3次元データに魂を込める。ここに、いかに心血を注ぎ込むかが、設計者の腕の見せ所だ。このような姿勢を君の組織全体で取り組むことで、ノウハウの蓄積とその活用という、良い循環が生まれる。 そのためにやらなければならないことは3つある。ひとつ目は、設計手順と設計手法の定義だ。これは君の組織全体で徹底しなければならない。また、2つ目に、設計意図伝達に関するルールも重要だ。旧来2次元図面が担っていた役割だが、3次元設計によるコンカレントエンジニアリングでは、3次元データに情報を詰め込まなければならない。そして、最後にスキルアップ教育を実施することも忘れてはならない。教育なき所に成長はない。ルールを設定したのにだれも守っていないのであれば、何の意味もなさない。これらの施策を実行し、君の組織に良い循環をもたらして欲しい。