まず、定義づけのために、実際の使い方を整理してみることだ。ここが一番肝心で、このフェーズで失敗したら良い定義づけはできない。整理すべき点は4つある。 1. 利用するCADソフトの特性を知る 製品を熟知した技術者とソフト操作法を熟知した技術者で同じモデルを作ってもらい、いいとこ取りする。こうする事で、製品特有の設計方法のノウハウと、CADの操作に対して合理的な設計方法のノウハウをひとつのガイドラインにまとめる事が可能になるのだ。 2. 後工程でどのように使われるのか意識する 例えば、CAE を実施するのであれば、単純な形状の物を用意する必要がある。複雑な構造は計算量を膨大にしてしまい、効率的なシミュレーションができなくなるからだ。 また、射出成型で用いるモデルであれば、抜き勾配や収縮時の公差など、実際の製造時に重要となる要素を盛り込んだモデルを用意しなければならない。金型を作製する際に指摘されてしまうと、工程の手戻りになり、無駄が発生してしまう。
このように、後工程で必要となるモデルは何パターンかあるはずだ。だから、これらの工程間をスムーズに渡せるような作り方を心がけるべきだ。例えば、CAE用モデルから生産用モデルに修正する際にどうすれば工数が少なくなるのかという視点を盛り込んで3次元設計の定義づけを行なっていくのが良いだろう。 残り2つは次回説明しよう。