◉依存関係を整理する 3次元設計の弱点、それは曖昧さが許されないことだ。では、そのような弱点をどのように克服していけば良いのだろうか? それは、部品同士の依存関係をよく理解しておくことだ。どういうことかと言うと、ある部品の形状変更が決定されるには、違う部品の形状変更が決定されていなければならないということがある。例えば、モータのブラケットを設計しようと思った時、モータの形状が明らかでなければ何もできないだろう。このような依存関係を整理していくのだ。完全な答えなんてない。その組織の扱うモノにもよるだろうし、プロジェクトごとにやり方が変わることもあるかもしれない。 依存関係を明らかにするには、君自身がどのように設計しているか見直してみることから始まる。どのような手順で設計を進めているだろう。たとえば、ある部品Aを設計している時に、違う部品Bの形状が決まらなければ、それ以上進めないなんてことに陥ったことはないだろうか。そういう場合は、部品Aは部品Bに依存しているのだ。こういう依存関係を見つけ出して、それを矢印で示していけば良い。 以前紹介したDSM(Design System Matrix)を用いて整理しても良いだろう。DSMを使いこなすのは簡単なことではないかもしれないが、やってみる価値はあるだろう。こうすることで効率的な設計のプロセスが見えて来るだろう。 このような過程で整理していけば、次に構想設計する時には、どこに依存関係があるのかを意識して行うことができるだろう。それを意識さえしていれば、構想設計と詳細設計で大きな齟齬が出てこないようになるはずだ。もちろん、これで完璧になるとは言わない。完璧は徐々に構築していくものだ。一発で完璧なものができることはほとんど無いだろう。絶え間ないブラッシュアップの成果なのだ。だから、やるべき事は荒削りであっても、法則を見つけようとすることだ。失敗しても良い。それを繰り返していけば、いずれは君だけの法則ができあがるはずだ。だから、まずやってみよう。そこからしか道は開かれない。
棘がどこにあるか分かっていれば、薔薇なんて怖くない
ahedgehogchase