今回は、設計開発には欠かせないDRの話だ。
DRは実施しているが、なんとなく儀式みたいな雰囲気になってしまい、形骸化してしまう恐れがある。それを防ぐにはどうするか、というのが今回の趣旨だ。
1-1 機械設計【選択科目II】(平成27年)
II-1-2 効率的な設計審査会(DR;デザインレビュー)を主催し運営するためには、事前に準備すべきドキュメント類、DR開催中での留意事項、並びにDR終了後のフォロー事項など様々な工夫が必要である。これらの工夫のうち、あなたが重要と考えるポイントを3つ挙げ、その具体的内容について述べよ。
【解答例】
◉DRを行う上で重要な3つのポイント
製品のQCD向上のために、DRの実施は不可欠だ。しかし、DRが形骸化して、効果的に運営されていない場合もある。その理由は、①議論の発散、②専門家を招集できない、③時後のフォローが不十分、などが挙げられる。これらに対処して効果的なDRを行うために重要なポイントについて述べる。
1. 議題を細分化し、複数回に分けて実施する
議論が発散するのは、議題が多岐にわたるからである。そのため、例えば品質であれば品質だけに的を絞って議論を行い、そのDRで決定すべき事項に集中することで議論の発散を防ぐことが可能だ。コスト、開発日程、安全などにも適用する。
2. 短時間で実施する
専門家の招集が困難なのは、DRに参加すると長時間拘束されるためである。短時間でDRを実施するということであれば、都合をつけて参加してもらえる可能性は高くなるだろう。
3. 開発段階ごとにDRを繰り返す
開発段階によって議論内容は変化する。そのため、各段階でDRを行うことが必要だ。その際、前回のDRでの指摘事項を確認し、効果的に対策されているかどうかを必ず確認する。これにより、DRの内容を確実に製品設計に反映できるようになる。
以上。
今回、文字数クリアの状態で解答作成してみた。書きたいことが溢れてしまうので、吟味して必要最低限の表現にしたつもりだ。やはり、技術士二次試験の答案は無駄なところを削ぎ取る作業が肝心だ。この削ぎ取られたエッセンスをいかに脳みそと手に叩き込むかが勝負の分かれ目になるのではないだろうかと思っている。