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  • ahedgehogchase

Initial Coin Offeringとわたし

個人としてどれだけ人を惹きつけられるかが重要

 エンジェル投資家やVCがスタートアップに投資する際に、彼らが見ているのは、そのスタートアップを率いている人物の資質だという。たとえ彼らのスタートアップが提示したアイディアが、多少悪いものに見えたとしても、彼ら自身にそれをやり遂げるポテンシャルがあると判断すれば、投資家たちは投資を実行する。そういうものらしい。確かに、現代という時代において、何がいいアイディアなのかなんて誰にもわからないものだ。いや、それは、いつだってそうだったのかもしれない。パラダイムシフト前後では、その渦中にいても何が起こっているのかよくわからないのが本当のところなのだろう。戦国時代だろうと、幕末だろうと、いつだってそうだったのだ。だから、やはり大事なのは(というか判断材料となり得るのは)人間としての魅力しかないのだろう。

 最近、賛否両論のVALUなどのInitial Coin Offering(ICO)という資金調達法は、暗号通貨取引所に自らのトークン(株式みたいなもの)を上場することによって資金を集めるという仕組みだ。クラウドファンディングがプロジェクト主体の資金調達法だとすれば、ICOは株式を発行している状態に似ている。そして、ICOを購入する人は、エンジェル投資家がリターンを得るのと同じようなメリットが得られる(かもしれない)。

ICOに対する批判

 おそらく、ICOに対して批判の目が向けられているのは、その法的なグレーさが理由なのだろう。僕は、正直なところよく分かっていないのだが、インサイダー取引のようなことが起こらないようにルールを整備していくことが必要なのではないかと思う。

時代が変わっても不変なこと

 ただ、僕が感じたことは、従来のスタートアップがエンジェル投資家やVCからの投資を得るにしても、個人がICOで資金を得るにしても、結局はその人の資質が大きく関わってくるのだと思う。そういう意味では、人としての魅力を磨いていくことが、何よりも大切ということだ。求められる素質は、そう変わるものではないのだろう。ただ、チャンスは確実に増えたと思うので、試してみる価値はあるだろう。

ICOは応援の文化を醸成する

 また、投資する側のメリットとしては、エンジェル投資家になったつもりになれるという点があるだろう。まあ、もともとエンジェル投資家というのはハイリスクハイリターンを狙って投資するものだから、素人が手を出してもうまくいく可能性は低いだろう。でも、エンジェル投資家はパトロンのような側面もある。それは、応援したい人をただ応援するという純粋な動機に基づいたものだ。お気に入りのアーティストのCDを買ったり、ライブに行くみたいな感覚に近いと思う。

 いずれにしても、まだ黎明期のICOだ。これから、どのような発展を遂げるのか、見届けたい。

※そういえば、この記事を書いている時に次の本のことを思い出した。ブロックチェーンやらICOやら、お金の変革期の時代に、一度読んでみることをお勧めする。ピカソが支払いに小切手を使っていた話なんかは、トークンを発行するのに通じるものがあるように思う。

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