SolidWorks
さあ、ようやくSolidWorksにたどり着いたね。僕(ガーシエンフェルド教授)は今週SolidWorks Worldで講演してきたんだけども、このツールもヤバいくらいにパワフルなツールだ。このツールにはいろんな長所があるが、その一つとして何百もの莫大な複雑性を取り扱うことができる点が挙げられる。本当に、複雑な構成要素を扱うのに長けている。FabLabのプリンタは、rethink roboticsがSolidWorks を使ってデザインしたものだ。
僕(ガーシエンフェルド教授)の教え子のひとりであるMatt Carneyが僕たちと働く前のデザインを見てみよう。恐らく、Googleの画像検索ページをスクロールダウンして行ったら、CAD図が見つかるはずだ。これらは全てSolidWorksで設計された。そして、これらの機械は毎週のFabAcademyの講座でのプロジェクトと比較するととんでもなく複雑なものだ。SolidWorksを使えば、単なるモノというよりも、いろんな部品を組み合わせたものをアセンブリし、それをまたアセンブリしたような複雑なモノをデザインできるようになる。飛行機や自動車みたいなものをね。
Draft SightはAutoCad的な世界とのインターフェースになる。(つまり、3次元データを2次元図面に変換したりすることができる。)
また、彼らは最近CGパイプラインを手に入れた。非常にパワフルなもので、写真のようにリアルに描画できる超ハイエンドなものだ。SolidWorksの内部でレンダリングできる。
そして、彼らはWebプラットフォームに進出してきた。SolidWorksはもともとWindows上で作動するソフトウェアだったが、Web上でも動くようになったんだ。これはブラウザ上で動くようにデザインされている。クロスプラットフォームで、OSへの依存性が低い。これはXDesignと呼ばれるサービスだ。
また、電装関連の話になるが、最近、ハイエンドなエレクトロニクスツールであるAltiam Designerがバンドルされるようになった。MAKERの世界では多くの人が高度な設計を行うためにSolidWorksを使っている。これは商用ソフトウェアだがFab LabやFabAcademyと提携している。だから、君たちのFabLabはSolidWorksのWebサイトからインストール可能になっている。
Fusion360にしても、SolidWorksにしても、どちらも非常にパワフルなツールだ。これらのツールは、デザインに関するほとんど全ての一連の流れをカバーしている。しかし全体的にデザインのエコシステムや、見た目の違いがあるから、僕は両方インストールして、両方試してみることをお勧めするよ。そして、どちらが使いやすく、習得しやすいかを見極めて欲しい。つまり、どちらが学習していてそこそこ、つまらなくない程度に感じられるかって事なんだが。でも、そのリターンとして、君たちはとんでもなく複雑なモノを設計する術を手に入れることとなるんだ。
OnShape
これらのことが、今回の講義で重点的に話そうと思っていた事だ。もう一つ、Solid Worksを創り出したJon Hirschtickについて話しておこう。彼は新しくOnShapeと呼ばれるプロジェクトに取り組んでいる。OnShapeはブラウザ上にはインターフェースは持たないが、ブラウザ上で作動するという設計思想で一から作られたCADだ。そして、モバイルデバイスでも操作できるように一からデザインされている。そして、彼らはβテストを始めている。(Wikipediaによると、2015年に商用リリースを開始している)だから、ある意味ではOnShapeは機能的にはSolidWorksと同じようなものとして捉える事ができるかもしれないが、全く異なる環境で動作するように作られているんだ。これがOnShapeだ。
(つづく)
講義目次は【和訳版】FabAcademy 2016からご覧ください。
※この記事はFabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。