マシニングに適しているのはFR1
さて、基板の材料であるPCB(Printed Circuit Board プリント基板)について話そう。手持ちの基板を見てみれば、緑色をしているものが多いだろう。これは、FR4と言って、ガラスで強化されている。エッチングであれば、きれいに仕上がる。でも、これはマシニング加工はできない。ガラスはマシニング加工できない。ツールがやられてしまう。
図. FR4シートの例(Global Laminate社)
だから、FR4よりもFR1(紙フェノール)の方が適している。Global Laminate社のWebページにリンクを貼っておいた。これはPCBをバッチ生産しているラミネート工業のメーカーだ。FR1はガラスで強化する代わりに主に紙で強化している。天然の繊維手で補強しているんだ。だから、FR1は強くてマシニングにも適している。これは重要なことだ。何しろFR4はマシニング加工できないのだから。
図. FR1シートの例(PCBマテリアルズ)
君たちは基板をマシニング加工しなければならない。そして、FR1はマシニング加工出来るようにデザインされている。
図. FR1とFR4の比較
フレキシブル回路の作り方 ちなみに、もしも君たちがフレキシブルな回路を、それも商用のものを製造しようと思った時に使うのがカプトンだ。後ほど、僕はPCBを扱う企業について話そうと思っているが、その前にフレキシブル回路に用いられるカプトンがどのようなものかお見せしよう。しかし、残念なことにこれはビニルカッターでは扱えない。 だから、もしも君たちがフレキシブル回路を作ろうと思っているのであれば、エポキシテープと銅箔を用いて作ることになる。銅はビニルカッターで加工することができるから、加工後にカプトンテープに載せて、フレキシブル回路を作ることができる。でも、フレキシブル回路から始めるべきではない。応用編としてやってみるのは構わない。
図. フレキシブル回路の例
高周波回路の作り方 もしも、ラジオを作りたければ高周波回路を作らなければならない。このとき、損失について気にしなければならない。基板への吸収を考慮しないといけないんだ。商用のものではテフロンがよく用いられる。でも、これは高価な材料だ。僕らはテフロンの代わりに窓ガラスを使うことができる。銅をビニルカッターで切り出したら、それをガラスの上に置けば良い。これは、高周波の回路になる。 これらのやり方で、面白いユニットを作ることができる。
(つづく)
講義の目次は 【和訳版】FabAcademy 2016 からご覧ください。 ※この記事は FabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。