僕はいわゆるミレニアル世代と呼ばれる世代だ。つまり、 尾原和啓 氏の指摘するように「乾けない世代」だ。たしかに僕は、売り上げ10%増とか業界シェア1位という言葉にそれほど惹かれないし、なぜそれを成し遂げる必要があるのかという必然性がなかなか腑に落ちない。まあ、儲かることはたしかにその組織の人たちを豊かにするだろうに違いない。でも、お金を稼ぐということはあくまで空気を吸うような行為だ。僕らは空気を吸うために生きているわけじゃない。空気を吸って何をなすのかということが最も肝心なことだし、それが分からない限りは、その目標の必然性が腑に落ちないのだ。 そういうわけで、僕にとってはある程度裁量権の認められた20世紀的なオレンジ(達成型)組織ですら、なんだか窮屈で退屈に感じる。もちろんこの形態は人類の生活を豊かにしたし、僕達が快適な生活を送れるのもこういう組織の歴史あってのことだ。 でも、時は過ぎ去ってしまった。僕達は新しいパラダイムに生きている。僕自身がそのパラダイムに相応しいかどうかなんて分からないが、僕はそのパラダイムに心惹かれているし、渇望しているとすら言える。 ティール(進化型) 組織を率いるリーダーはエゴを切り離しつつ自分の心の声に従って行動することができるという。これは、まるで「ビジョナリーカンパニー2」で描かれる「第3水準のリーダー」と呼ばれる人たちの生き方に近いように、僕は感じた。彼らは野心はないが目標は高い。その在り方が共通しているように思ったのだ。
ティール(進化型)組織では、それが組織全体に共有されているらしい。彼らのように僕はなれるだろうか。そんなことを考えながら、この本の続きを読み進めようと思う。まだまだ先は長い。続きはどこかで。