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マイクロ資本とライフロングキンダーガーテン、そしてDAO

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デジタルファブリケーション時代のコンカレントエンジニアリング 僕が、このブログで掲げている「デジタルファブリケーション時代のコンカレントエンジニアリングを極める!」というテーマについて、少し話そうと思う。 デジタルファブリケーションというのは、「勝手にひとりFab Academy」で取り上げているような、3DプリンタやCNCを使ったデジタル化したものづくりの技術のことだ。大企業なんかでも、ラピッドプロトタイピングと呼ばれていたりもする。 そして、もうひとつのキーワードである「コンカレントエンジニアリング」というのは、製品を作るためのバリューチェーンを同時進行的に動かすことで、新製品の開発期間を短縮するという手法だ。例えば、設計を進めるのとともに、生産技術開発を同時進行で進めるようなやり方だ。 そして、コンカレントエンジニアリングを突き進めるための原動力になったのが、3D CADなどのデジタルツールだった。コンカレントエンジニアリング黎明期に、ボーイング社が3D CADを用いて、データを即座にシェアしながら開発を行っていた事例は有名だ。それも、1970年代の話だ。 その時代から半世紀が過ぎようとしている現在、3D CADは誰でも使えるツールになっている。Fusion360やOn Shapeを使えば、3Dデータを無料で作ることができるし、そのデータをThingiverseで公開することだってできる。 一方で、その3Dデータを3Dプリントすることも難しいことじゃなくなっている。CNCやレーザーカッター、カッティングプロッタなんかを使えば、もっとバリエーション豊かなものを作ることも可能だ。 こんなにツールが豊かに揃っている時代、パーソナルファブリケーションという概念が提唱されるようになって久しい。Fab LabやFab Academyを主催しているFab Foundationが、毎年行っている世界Fab Lab会議は今年で14回目を迎えた。 そして、パーソナルファブリケーションの時代から、僕たちはパブリックファブリケーションの時代に突入しつつある。つまり、世界中の個人が協力しながら、何か大きなプロジェクトを起こそうという動きだ。そして、それは営利目的なんかではなく、純粋な目的意識から生まれてくるプロジェクトたちだ。 もうひとつの特徴として、それはオープンソースであるということが挙げられる。営利目的でなく、何か課題を解決するという動機のもとで生まれるムーブメントに、オープンソースほどピッタリな形態はないだろう。全ての情報をシェアすることで、必要とする人たちに情報余すことなく提供することで、その課題解決へのモチベーションの高い人たちのコミットメントを得ることができる、という訳だ。 そして、それは何もソフトウェアに限られた話ではなく、ハードウェアの開発なども含んだムーブメントだ。 3つの障壁 でも、このようなやり方で、オープンソースプロジェクトを進めていくというやり方が一般的になっていくためには、まだまだ超えなければならない壁がたくさんある。 大きな課題は3つある。1つ目は、コミットメントの難しさだ。2つ目は参加に至るまでの障壁。そして、3つ目は物理的な制約の限界だ。 フルコミットメントできる人達というのは残念ながら、今の時代においては極めて少数派だ。つまり、活動資金を調達できる人達に限られているということだ。ソフトウェアであれば、開発に必要なマシンやサーバー代、通信費くらいのものかもしれないが、ハードウェアとなるとプロトタイピングだけでもバカにならないお金が必要になる。そして、このような活動資金を得て、事業を行うしか、選択肢はない。エンゼル投資家きら投資を受けたり、クラウドファンディングで資金を得るなど、方法は色々あるにせよ、かなりリスクを負わない限り、フルコミットメントは難しい。 2つ目の障壁は、参加するに至るまでの道のりが遠いことだ。どういうことかと言うと、何か魅力的なプロジェクトを見つけたとしても、知識や経験の不足により、二の足を踏んでしまうことが多々あるということだ。もっとも、情報に関しては、調べれば答えは出てくるかもしれない。グーグルは大抵のことは教えてくれる。でも、製造装置を使ったりしながら、プロトタイピングを行うという行為はなかなか障壁が高い。全くの初心者から、その過程に至るまでの道のりを想像できる人というのはそんなにいないんじゃないだろうか。 そして3つ目の障壁は、国を跨いで活動を行うにあたり、拠点ごとに異なる試作品があり、共通の認識を以って開発を進めるのが難しいという点がある。部品にはどうしてもバラツキが生まれてくるくるものだし、組み立てる条件によっても、出来上がる試作品にはバラツキが生まれる。ある拠点で生じた不具合が他の場所では確認できないという事も多々あるだろう。そして、プロジェクトの対象が大きくなればなるほど、拠点ごとにプロトタイプを所持するのに大きなコストがかかる。 どうやって障壁を取り除いていくか だから、僕はこの3つの障壁を取り除きたいと思っている。何年かかるかは分からない。でも、それは可能だと思っている。 (つづく) 目次 Compass over maps

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