情熱を育む場 もはや本題をお忘れかもしれないが、僕は2つ目の障壁について僕は書こうと思う。そもそも、僕はなぜプロジェクトへのフルコミットメントを阻害する要素について書いていた。しかし、2つ目の障壁は1つ目の障壁と比べたら、何でもないようなものだ。知識と経験の欠如が、プロジェクトの進行を阻むのであれば、知識と経験のシェアの場を作ればいい。そして、巷にはそういう場所が溢れている。 僕がACADEMANYに期待することは、そういうことだ。Fab AcademyやBio Academyといった学び場は世界中に開かれている。そして、それらの学びの実践の場としてFab Labが存在する。Fab Labは、よく市民工房という説明をされることが多いけれども、僕からしたら、世界中の誰もがアクセス可能なライフロングキンダーガーテンだ。もっとも、Fab Labを率いるニール・ガーシェンフェルドはMITメディアラボの教授だから、それは自然なことかもしれない。というのも、MITメディアラボと言えば、ミッチェル・レズニック率いるライフロングキンダーガーデングループの本拠地だからだ。 ACADEMANYには座学的な講義ももちろんあるんだけれども、最も重点を置かれるのは課題をこなすという点だ。講義を受けるのはオンライン上で一人で受けることもできる。僕がコツコツ進めている「勝手にひとりFab Academy」も、このスタイルだ。もっとも、この学び方はミッチェルのレズニックが推奨しているものではない。従来の講義型スタイルと、プロジェクト中心の学びの中間スタイルと言えるだろう。 さらに、Fab Labに行けば仲間(Peer)とともに、助け合いながらプロジェクト(Project)を進めていくことが可能だ。この形は、恐らく最も効率的かつ効果的に情熱(Passion)を育みながら学び続けることができる。もちろん遊び心(Play)もお忘れなく。 僕は第1の障壁である不安感を低減させることは大切だと考えているけれども、情熱を育むことを軽視しているわけではない。堀江貴文さんが「ハマれ!」と言っているように、何かに熱狂することは、不安感という障壁を超えるエネルギーになる。そして、ハマれる環境を作ることは大切だ。なぜなら、情熱は伝染するし、同じ空間で仲間が何かに熱狂していたら、バイラルなパッションは必ずその場を熱狂の渦に巻き込む。つまり、「諸君、狂いたまえ」(吉田松陰)の精神だ。 (つづく)
諸君狂いたまえ
ahedgehogchase