共創のためのツール コラボレーションを行うためには、何が必要だろうか。20世紀型の大規模プロジェクトのひとつとして、ジャンボジェット機の開発を挙げると、ボーイング社は1970年代に3D CADを導入することで、大人数でコンカレントエンジニアリングを実現した。そして、3D CADの役割は21世紀に突入し、ますます重要になってきている。さらにはBOM(構成表)と統合され、PDMやPLMといったシステムに進化しつつある。これが、現在主流の設計開発手法だ。 ツールを統一する そして、このやり方はコミュニティベースであっても変わらないこだろう。Launch ForthではSolid Edgeというソフトウェアを標準化CADとして使用している。 これは特筆すべきことだ。なぜならば、コミュニティという緩いつながりの中に、彼らは共通のCADを使うように促す規律を求めているからだ。コミュニティは緩いつながりかもしれないが、規律がないわけではない。そんなメッセージを彼らは僕たちに伝えようとしているようだ。 日本で同じことをしようとすると… 蛇足だが、日本で同じことをやろうと思ったら、Fusion360を標準にするのが一番良いように思う。恐らくユーザー数が多いからだ。Inventor使いの人も比較的移行しやすいだろうし、日本国内でのコミュニティも活発だ。でも、大規模なプロジェクトになると無料で使えるのかどうかは分からない。売り上げ10万ドル以下の小企業はOKみたいなので、少なくともプロジェクトの初期には使えると解釈できる。 オープンソースプロジェクトと銘打って活動するならば、OnShapeに軍配があがるのこもしれない。なぜならば、OnShapeはGitHubと同様にオープンソースプロジェクトは無償で使用することができるからだ。 そもそも統一する必要はあるのか ちなみに、なぜ3D CADを統一しなければならないのかという疑問を持つ方もいるかもしれない。STEPや他の中間ファイルを使えば、プロジェクトを共用できるじゃないか、と考えている方もいるだろう。 でも、実際に複数のCADソフトウェアを混在させてプロジェクトを進めると、不都合な点が出てくる。やはり、CAD自体の設計思想が違うので、インポートしたファイルから使いたい情報が抜け落ちてしまうということも出てきてしまうのだ。 例えば、アセンブリの拘束条件を厳密に行うことを重視するCADにSTEPファイルをインポートしても、拘束条件は綺麗さっぱり抜け落ちてしまうということが実際に起こる。そして、そのように設計することに慣れている設計者にとっては、これは結構ストレスになる。それ以外の要素でも、このようなことは起こりうるのではないだろうか。 いずれにしても、Launch ForthはSolid EdgeにCADを統一することで、コミュニティの共通言語を得たわけだ。そして、それはコミュニティ内のコミュニケーションを円滑にするだろうと考えられる。なかなか面白い取り組みだ。 (つづく)
共創のツールを統一せよ
ahedgehogchase