Rasberry Piの真価 受講者:Raspberry Piについて質問です。Rasberry Piは教育用に設計されていますが、もっと先進的な目的によく用いられていますよね。僕の質問は、これは工業用途に用いる場合、信頼性は十分なのでしょうか? Rasberry PiはARMボートだ。工業用途にも十分使える。ただし、コーディングを学びたいという場合にはある種の混乱があるかもしれない。というのも、コーディングを学ぶだけならば、1ドルのAVRでもできるからだ。 Rasberry Piの真価とは次のようなものだ。色んな理由からRasberry Piを用いることになった時、一つ挙げられるのは、これはOSを起動させることができる点だ。 僕はAVRを用いる場合にOSを用いることはない。そういうOSは存在するけれども、機能しないだろう。AVRはいわゆるベアメタル(OSを組み込んでいないコンピュータ)ってやつだ。何でも走らせることができる。 そして、僕がRasberry Piを用いるのは、ウィンドウのあるグラフィカルなOSを用いたい場合だ。また、大きなソフトウェアライブラリを用いたい場合もそうだね。これを用いる場合は、真っ当な理由があるんだ。 でも、一方でリアルタイムなハードウェアのパフォーマンスを期待する場合には適さない。なぜならば、オーバーヘッド(間接的なコスト)が多いからだ。また、初心者がコーディンを学ぶ場合にはRasberry Piである必要もない。1ドルのAVRで、それは可能だからだ。 しかし、覚えておいて欲しい。Rasberry Piは良質な周辺機器を備えた良い値段の単なるARMボードに過ぎないということをね。教育に特化したようなものじゃないんだ。 受講者:分かりました。AVRを測定機器のコントローラとして用いて、GUIなんかが必要な場合は、Rasberry Piを使えば良いって事ですね。 ああ。GUIはRasberry Piを用いる理由になり得る。 もしら君たちが組み込みプログラミングを初めて扱うのであれば、君たちは呆然としてしまうだろう。何せ、多くのことをやらなきゃならないのだから。 僕たちは、僕がカバーしたいと思っている事項を何週間もかけて紐解いていこうとしている。今回は取り掛かりとして、既にあるコードを改変するということを行ってもらう。君たちは全てを理解しようとする必要はない。 そして、君たちが完全なる初心者ならば、Arduinoボートの自作を行い、Arduino IDEを用いることから始めることになるだろう。しかし、僕は君たちにその段階を乗り越えて欲しい。そして、その裏側にあるツールの使い方を理解してもらいたい。Arduinoを理解するということは、ライブラリを含めてGCCを理解するということだ。 君たちは、できるだけ多くの異なるツールチェインを用いたプログラムを練習するために、以前に製作した基板を用いても構わないが、新たに自作することを推奨する。また、他のプロセッサのファミリを試すことも行って欲しい。 あと、スケジュールのリマインダだが、次回はNadya Peekが重要なマシンビルディングに関するレシテーションを行う予定だ。 オーケー。では楽しいプログラミングの時間だ。それでは、またね。 (Lesson 9 につづく)
講義の目次は 【和訳版】FabAcademy 2016 からご覧ください。 ※この記事は FabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。