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ギリシャの神とデジタル自給自足

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もしも、富の分配がもっと上手く行っている世界に生きていたならば、コルヌコピアなんて本当はどうでも良かったのかも知れない。でも、自由を手に生きようとしたいと願うのであれば、コルヌコピアは最強の道具となり得る。そう気づいたから、これを無視するわけには行かない。コルヌコピアは経済的な不安を払拭するための手段の1つとなり得るのだ。 21世紀も5分の1に差しかかろうとしているこの時代、世界的に見れば経済的に上手くいっている集団もあれば、上手くいっていない集団もあるのが現実だ。それはエレファントカーブを見てみれば、一目瞭然だ。新興国は順調に豊かになっている。先進国の富豪も順調に冨を蓄えているようだ。しかし、どうやら僕らの祖国、日本はみんな仲良く(世界から見ても相対的に)貧しくなっていっているようだ。サブサハラの地域もまた富が分配されない地域のひとつだ。 けれども、実はこれってもしかしてお金というバーチャルな指標に注目しすぎているのではないだろうか、と僕は思うのだ。バーチャルではなく、その対極にあるエネルギーに注目しようよ、と僕は言いたい。もちろん、エネルギーにはマテリアルが含まれている。マテリアルはエネルギーの形態のひとつに過ぎないというのは、アインシュタインの有名な式でもお馴染みだ。 (※バーチャルもエネルギーに依存してるだろ、と言われると完全な対比にはならない気もするけれども、お金というバーチャルな概念自体はエネルギーから独立しているのではないだろうか。国家とか宗教がエネルギーから独立しているのと同じようにね。) 僕がひたすらコルヌコピアと呪文のように唱えているのには訳がある。それは、人類がエネルギーを取り扱う方法が随分と洗練されてきたからだ。この洗練こそがギリシャ神話のアマルティアの角であるコルヌコピアを現代に実現させるのではないかと僕は考えている。 こんな事を言うと怪訝な顔をされることは目に見えている。なぜならば、僕たちの脳裏には東日本大震災の原発事故がまだ鮮明に残っているからだ。とは言え、それはエネルギーの取り扱い方の一例でしかないし、しかもこれは旧いタイプの取り扱い方ーつまり、中央集権的な手法ーだ。 それに対して、現代的なコルヌコピアは新しい分散的な技術によって実現されるだろう。そのように予測する根拠はスワンソンの法則だ。これは、エネルギー版ムーアの法則だ。分散型エネルギーに関するテクノロジーは指数関数的に進歩している。これは、3.11が起きた当時はあまり話題にはならなかったけれども、確実に起こっていることだ。だって、家庭用の電気に関しては、太陽光発電のグリッドパリティはすでに達成されているのだから。つまり、電力会社から電気を引いて使うよりも太陽電池から電気を取り出した方が安上がりだってことだ。この傾向は、今後ますます加速されるはずだ。 脱線するけれども、太陽電池というテクノロジーは光子を直接電子の流れに変えるというスマートな方法で、何億年もかけて太陽エネルギーを化学エネルギーに変換させてきた石油という資源と比べるとはるかに効率的だ。しかも、量子ドット太陽電池ならば変換効率は理論的には75%に達すると言う。 この分散化されたエネルギーからマテリアルを作り出そうというのがコルヌコピアの考え方の基礎となる。つまり、衣食住に関連するマテリアルやサービスを個々人が賄えるようにしようよ、という考え方だ。 ここには、お金というバーチャルな概念はあまり絡んでこない。もちろんコルヌコピアへの初期投資は必要かもしれないが、それほど大した額ではない(というのが理想だ)。コルヌコピアによりエネルギーがマテリアルやサービスに変換され、衣食住が満たされる。要はデジタル自給自足生活だ。 まあ、言うほど簡単なことではない。でも、これが実現されれば、富裕層は増税を免れられるし、国民を賄うための財源を確保するにはどうすれば良いのかと悩む必要もない。何だか夢のような話だ。 でも、そんなに訝しがる話でもない。なぜなら、コルヌコピアを所有する(アクセスする)ということは、広義の資本家になったようなものだからだ。資本家の富が殖えることを不思議がる人はいないだろう。資本家というものは本来そういうものだ。コルヌコピアは今まで労働者層だった人々を資本家層にアップグレードしてくれるのだ。 はて、お金というバーチャルな概念から、エネルギーやマテリアルという実世界に軸足を移したはずだったのに、変な話だなと思われるかもしれない。でも、思い出して欲しい。そもそも、生きていくのに必要なのはお金ではない。お金では得られるマテリアルとサービスだ。コルヌコピアはマテリアルとサービスを直接的に生み出す。富を作り出しているのだ。 これは持たざる者のハッキングだ。バーチャルな価値が分配されずとも、太陽はどこにでも降り注ぐ。マテリアルは分配され得るのだ。 

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