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Lesson 2 コンピュータ支援設計-CAD/CAE §8. より高度なCADツール

ZBrush

 よし、次に移ろう。華麗なるZBrushは商用ソフトウェアだ。これは動画の制作によく使われるソフトウェアだ。メッシュによるペインティングプログラムだが、これは莫大な量の情報を扱うことができ、モデルを細分化していくことが可能だ。そこで、このソフトはモデリングのブレンドにおける自由度がものすごく高いんだ。憶えておいて欲しい。ZBrushは大きなスケールでの編集が可能だということを。

Rhinoceros

 次に、Rhinocerosだ。Rhinocerosは商用ソフトウェアだが、それほど高価ではない。建築家にとっては馴染み深いものだ。このソフトの拡張機能の話に移るが、Grasshopperを使えばノートベースでの編集が可能になる。Rhinocerosでは編集の順序を編集したりパラメトリックな編集を行うことはできないが、Grasshopperを使えば、そのような編集が可能になるんだ。これらのツールは表現力が必要とされるデザインを行う場面に適している。現に、デザイナーや建築家にとって馴染み深いツールだ。しかも、恐ろしく高価ってわけでもない。

FreeCAD  ここからは「これぞCADツール!」って感じのツールについて話していこう。Free CADはその名の通り無料で利用可能なクロスプラットフォームのCADツールだ。これは、今まで説明してきたものよりすごいかもしれない。今まで説明してきたものとの明確な違いは、より複雑な関係性を記述することができるという点だ。このソフトウェアはWYSWIGじゃない。そして、直感的でもない。しかし、君たちはアセンブリの距離や角度などを表現することができる。それなのに、FreeCADはそんなものすごい機能が無料で使うことができるリーズナブルなツールなんだ。このツールは急速に進化し続けてきている。FreeCADで出来ることは数多くある。このツールは2Dであれ、3Dであれ、チェックしてみる価値があるんじゃないかな。

Autodesk社のFusion360はMAKERのためのツールだ  さて、さらにハイエンドなツールについて説明していこう。AutoCADだ。Autodesk社のAutoCADは古株のソフトウェアだが、僕はこのツールはオススメしない。Autodesk InventorはAutodesk社のパワフルなモデリング機能を有するCADツールだ。そして、僕らが今まさに注目しているのが、Fusion360だ。これはCADでありながら、CAMやファブリケーションのワークフロー機能を持つツールだ。これ一本で完結できるツールというわけだ。このモデリングツールはかなり複雑な関係性を記述することができる。まあまあ高価なツールではあるのだが、何年か前にAutodesk社のファウンダーであるCarl Bassがある大きな決断をした。それは、教育用に無償で利用できるようにする、という決断だった。どうやって金を稼いでやろうかと算盤を弾くよりも、多くの初学者に使ってもらうことを選択したんだ。

FabLabやFabAcademyにとっても、このツールを使用することができるようになったのは、大きな出来事だった。FabAcademyは教育機関と認定されているからね。Autodesk社にアクセスして無料で手に入れられる。Autodesk社の全てのソフトウェアよりも何より、いや、このユニットで紹介する何よりも、僕はFusion360をオススメする。これは、ただのCADとしてデザインされてはいない。むしろ、モデリングを通した設計のライフサイクル全てを包括するものだ。 ”受講者からのコメント: 僕がこの前見た時のライセンス利用規約では、アーティストや小規模なスタートアップのアントレプレナーたちでさえもFusion360は実質的には利用可能とありました。彼らが、ライセンス使用料を払えるくらいに稼げるようになるまでは、というわけです。”  そうなんだね。分かった。最近はチェックしてなかったんだけれども、Fusion360の無償化を知った時は、面白い時代になったものだと思ったよ。Carl Bassは本物のMAKERだ。彼らがAutodeskの舵取りをしていて良かったと思う。Autodesk社はMAKERSの時代に彼らがどのような手を打つべきか真摯に取り組み続けた。その結果、収益化よりもMAKERSがFusion360を無料で使えるようにすることを優先し、彼らが支払いができるようになるまで猶予を与えたんだね。彼は、この取り組みを進めるにあたり、他の幹部たちも説得する必要があっただろう。でも、結果的にFusion360を誰でも利用できるようにするという英断は正しかった。Fusion360は公正かつ急速な発展を遂げつつある。これは本当に興味深いend-to-endで差別のない環境だ。偉大なツールだ。ぜひ見てみて欲しい。

つづく

全体の講義は【和訳版】FabAcademy 2016からご覧ください。

※この記事はFabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。

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