今回の講義の概要 さあ、今回はコンピュータ制御による切断工法についてだ。僕たちはこれから、この講座で初めて実際にものを作っていくわけだが、もう準備はOKだね。僕たちはこれから切断に関連するツールを見ていくが、これらのツールを使って今回の課題を進めていってもらうことになる。 君たちがデザインした組み立てキットと、それに関するドキュメントを作ってもらう。例を挙げよう。何年か前から、今回と同じような課題を出しているが、みんな面白がってくれている。君たちは、レーザーと段ボールを使うことになる。組み立てキットは、ジョイントを活用して1つ以上の形状を作れるようにして欲しい。どうやってやろうか、と頭を捻るのは実に楽しい。 これは「マーブル(ビー玉)トラック」だ。この例が特に好評だったのだが、これにはスイッチとメモリがある。しかも、バイトを作ることができる。何をやっているのかというと、マーブルを使って二進法で数をカウントしているんだ。このキットを使えば、マーブルトラックを作りつつ実際は、ある意味「マーブルコンピューティング」が可能になるのだ。
図 Shaun Saltzbergの「マーブル(ビー玉)トラック」
これはShaun Saltzbergの作品だで、マーブルトラックにもなるが、ラッチが設けられていてこれがメモリの役割を果たす。そして、これは論理的なバイナリカレンダーとして機能するんだ。マーブルトラックのマーブルを使ってね。そういう訳で、これは君たちが今回の課題で取り組む課題のいいお手本になると思う。 色々な切断方法、でも一番使うのはレーザカッティング
では、説明を始めよう。今回は2Dの切断をやってもらう。まず2次元切断のツールとして、ビニルカッターを挙げよう。これらは、驚くほど超便利なツールだ。これについて説明してからレーザに移ろうと思う。レーザカッターはFabLabでも最もよく使われるツールだ。おそらく君たちが思っているよりも、3Dプリンタを使う機会は多くないし、君たちが思っているよりも、レーザカッターを使う機会は多い。
そして、もっと大きな切断ツールとしては、ウォータジェットカッターが挙げられる。これは超音波ジェットによって研磨しながら切断する方法だ。これらは素晴らしい機械だけれどもFabLab用としては高価すぎる。というか、FabLabひとつ設立できるくらいの費用がかかる。100,000ドルくらいするからね。加熱したワイヤで切断する方法もある。これは本当に便利なツールだ。そして、電荷を放出して切断するタイプの工作機もあるが、これはFabLab何ヶ所か分くらいの値段だ。でも。これらのツールはものすごく硬い素材の加工や精度の高い加工が可能だ。今回の講義では特にビニルカッターとレーザカッターに焦点を当てて行こうと思う。
(つづく)
講義の目次は【和訳版】FabAcademy 2016からご覧ください。
※この記事はFabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。