素材はどこから来て、どこへ行くのか
レーザーカットを行う上で注意すべきことは、切断時に素材が消えて無くなっているわけじゃないってことだ。何らかのメカニズムで、その場から移動したに過ぎない。メカニズムのひとつは燃焼だ。燃焼した部分は空気中に散逸する。他にも、溶断させる方法もある。素材を蒸発させて、他の場所に堆積させるっていう技もある。削磨する場合だってある。 レーザーカットはこれらのメカニズムが組み合わさることで実現できる。何度も言うが、素材が消えて無くなってるわけじゃない。どこか別の場所に移動しているだけだ。その証拠にエアフローが不可欠なんだ。エアアシストを用いる。空気が上から供給されて、それを消費する。そして、排ガスを吸引する。適正条件下であれば、発生した酸化物が除去される。 これが適切に除去できていなければ、君たちのラボが火の海で埋め尽くされる可能性がある。この事については、少し説明しておこう。ラボでは循環サイクルフィルタを使うことができる。しかし、そんなにうまく機能するわけじゃない。室外に排気するのがベストだ。
排気の近くに人が近寄るのはマズい。なにせ、排気ガスは汚いからだ。排気配管は人がいない所に設けないといけない。もし、排気を室外に排出できない場合は、(仕方なく)循環フィルタを使う事になる。でも、外部からのエアの供給が無ければほとんど機能しない。
(つづく)
講義の目次は【和訳版】FabAcademy 2016からご覧ください。
※この記事はFabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。