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  • ahedgehogchase

Lesson 3. コンピュータ制御による切断工法 §19. こんな輩はレーザーカッター使用禁止だ

Labが焼け落ちた話

 さあ、次に機械を使用する上での安全性について見ていこう。僕の研究室でのことだ。ある日、学生がレーザーカッターを使っていた。彼はやるべき事がたくさんあり、長時間レーザーカッターを稼働させようとしていた。稼働中、メールをするためにレーザーカッターのそばから離れた。そして戻ってきたとき、目の前に火の手が上がっているのを見て驚愕した。何が起こったのか。駆動ベルトがレーザーのヘッドから外れて、ヘッドが動かなくなったんだ。そしてレーザーのエネルギーが一箇所に集中し続けた。そして、それがマシンに設置されていた素材に着火させた原因となった。そのレーザーカッターからの発火により、その建屋はほぼ全焼となった。  すべてのレーザーカッターは常に引火のリスクと隣り合わせにある。なぜなら、大きいエネルギーを、狭い領域に照射し続けることになるからだ。また、排気が不十分で出力が強すぎる場合にも引火の可能性が高くなる。しかし、万が一、素材が引火してしまった場合でも、対処法はそれほど難しいものではない。レーザーにはインターロック機構が設けられている。だから、蓋を開けてやれば、レーザー光線はオフになる。  もし、本格的に燃え始めたら、君たちが次にやるべきことはレーザーカッターを何かで覆ってしまうことだ。これで空気の供給を止めるんだ。 べからず集が火災のリスクから君達を守る

 素材が発火してしまっても、問題ない。最悪なのは、何も対処しないことだ。だから、レーザーを扱う上で一番良いのは、Labにレッドラインを設けることだ。Labのレーザーカッターは外部の誰もが使えるようになっているだろう。でも、そのレッドラインを越えた者は二度と使うことを許さないことだ。稼働中は、レーザーカッターの様子を常に見ておかなければならない。異常を見逃してはいけないのだ。常に引火の可能性と隣り合わせなのだから。その意味で、レーザーカッターは、最も注意が必要な機械なのだ。

つづく

講義の目次は【和訳版】FabAcademy 2016からご覧ください。

※この記事はFabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。

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