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Lesson 4. エレクトロニクス・プロダクション §5. 基板を削り出す手順

基板の高さ調整は慎重に

 さあ、まずは基板を用意しよう。

 このような、何も加工されていない基板がある。この裏面に両面テープを貼り付ける。次に必要なのが、ツールの高さの基準を決めることだ。基板をセットしたときに、表面が正確な高さになるように調整を行う。この調整はかなり正確に行わなければならない。というのも、これから僕たちは基板を深く削っていくわけじゃないからだ。そして、ツールも微細な形状を加工するということも、この調整が重要であることの理由の1つだ。  だから、君たちが自分のLabでこの工程を行うには、まずこの調整から始めなければならない。そして、切削ツールの高さを少し下げることで加工を行うんだ。これは、ちょっとスキルが必要な工程だ。でも、やるべきことはツールを少し下げるだけのことだ。このような調整をしなければ、エンドミルの先端が破壊されてしまうことがある。エンドミルの先端は、硬いが脆い。だからクラックが入ってしまうことごある。エンドミルの先端を基板の表面まで下げる。この位置を基準としてツールをしっかり固定する。このような準備の後にマシニングを始めよう。

図. 基板設置時の注意点

エンドミルの寿命

 このような準備をしっかりやってさえいれば、ひとつのエンドミルで30枚程度の基板を削り出すことができる。このサイズのエンドミルの寿命はそれくらいだ。  エンドミルの寿命に関して話そう。使い始めのツールは非常に鋭利なので、微細な切削加工の仕上がり形状も良い。そして、徐々に鈍ってくる。少し鈍るだけでも、微細な加工はできなくなる。粗い形状しか作れなくなるんだ。そしてその時が、そのエンドミルの寿命だ。エッジが粗くなってきたとしてら、それはツールが古くなって来ているというサインだ。

図. エンドミルの寿命

バリなきこと、脱脂洗浄のこと  また、一旦基板をマシニング加工すれば、バリが出てくる。君たちはバリ取りをしなくちゃいけない。僕も、このようなスチールの物差しでバリ取りをしている。これでバリをこすり取っているんだ。

 そして、仕上げに基板を脱脂洗浄する。指の脂なんかを除去するためにね。加工した後は、指の脂などで、シミができたり退色している部分があるだろう。それがキレイに洗浄される。洗浄してしまえば、キレイな基板が出来上がる。

つづく

講義の目次は【和訳版】FabAcademy 2016からご覧ください。

※この記事はFabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。

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