スルーホール実装型のデバイス
表からは見えない経路は内部の層の終着点となる。また、埋め込まれた経路は内部の層間をつなぐ。これらの構造によりより複雑な配線が可能になる。これらの構造を採用するとは、基板の価格を跳ね上がってしまう。だから、最初からこんなやり方をしてはいけない。回路が複雑になってきてはじめてこのやり方を選択するのが良いだろう。 さて、次はコンポーネントについてだ。これは、Octpartへのリンクだ。これは電子機器の検索エンジンみたいなものだ。 僕らはこれからATtiny44(Atmel社のAVRマイコン)にかなりお世話になることになるが、(Octpartを使えば)これを手に入れることができる。 ATtiny44はスルーホール実装が可能だ。このデバイスは基板を貫通させて実装する。(文字通りスルーホール)でも、僕らはこんなやり方はしない。なぜなら、多くの穴をドリルで開けなければならないからだ。
図. ATtiny45(スルーホール)の例
表面実装タイプのデバイス
僕たちはこれから紹介するパッケージを多用することになる。これは、表面実装タイプのデバイスだ。どういうものか説明しよう。
図. ATtiny45(表面実装)の例
一例だが、これは、経路が片面だけで小さなものだ。こんな場合でも、(ご覧の通り)ドリルで穴を開ける必要がないんだ。これが、僕たちがこのパッケージを多用する理由なんだ。 さて、君たちがこのパッケージを使うようになったとしよう。これは、チップサイズのパッケージだ。これは、シリコンダイ(チップ)のサイズに詰め込まれたパッケージだ。それ故に従来のものよりも密度が高い。 このタイプのものは僕たちがしょっちゅう使うものじゃない。でも、時々お世話になることがある。 闇雲に穴を開けりゃいいってもんじゃない
このタイプのパッケージを使わなければならない場合はいくつか挙げられる。例えばだが…(スタッフに向かって)加速度センサのスライドを出してくれ。そう、それだ。 これはチップサイズの加速度センサのパッケージだ。これをリフローしてやる。つまり、加熱して、はんだをリフローしてやるんだ。オーブンでもできるが、この写真では僕たちはホットエアガンを用いてリフローしている。 チップにはんだを少し乗せる。後で説明するが、はんだペーストを使ってもいい。乗せたら、加熱する。これで全てだ。これできみたちはリフローを行うことができる。
そうすることで、君たちは接続部を半田付けするのではなく、パッケージ全体を一度に半田付けすることが可能なんだ。これが、チップサイズのパッケージの使い方だ。僕たちは日常的にこういうデバイスを使うことはない。しかし、いくつかの特別な部品については必要に応じて使用することになる。その場合は、多くの場合、僕たちは手作業で表面実装コンポーネントを半田付けすることになるだろう。
(つづく)
講義の目次は 【和訳版】FabAcademy 2016 からご覧ください。 ※この記事は FabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。