世界のFab Lab(第二弾)
●デンマーク
さあ、他にも見ていこう。
これは、デンマークにあるFab Labだ。創業に特化したLabだ。この10年で彼らは偉業を成し遂げた。彼らは1,000もの事業を立ち上げ、ビジネスインキュベーションにより数百万ユーロもの総売上を計上した。 彼らはLabからこれらの事業を始めた。大きな組織には属していなかったが、その代わりに、コミュニティを核として活動したんだ。今まさに君たちが属しているコミュニティと同じようなものだ。
Fab経済のプラットフォーム
GrenobleのJohn Michelle やCascinaのFiore BasileをはじめとしたコミュニティはFab経済のプラットフォームを作り上げた。 コミュニティで行われることのひとつに挙げられるのは、一緒に働く仲間を探している人たちがデジタルファブリケーションのスキルをもつ人々を見つけ出し、スキルを持った人たちが職を得るということだ。 そして、Fab Labで必要なツールやFab Labから生まれた製品の売買に関するプラットフォームが成長していることにも心踊るものがある。これは分散化されたファブリケーション経済のための包括的なビジネスプラットフォームなんだ。 マニファクチュアリングという言葉から君たちが連想するのは、スライド左側の写真みたいなものだろう。それに対して右側の写真に写っているのは、氷の国のLabなどのFab Labで活動する仲間たちだ。 彼らがやっていることは単なるお遊びではない。工場で生産するかわりに、彼らは個人的にファブリケーションを行なっている。 君たちは単にお金を得るために何かをしたいとは思っていないだろう。君たちは君たちが作りたいものと思うものを作ることができるし、実際にそうしている。それに、ここではミスを犯さないことは、さほど重要じゃない。どんどん失敗すれば良い。
では、これは単なるお遊びのアウトリーチなのかと言えば、そうではない。これは、どのように経済が機能するのかに関する新しい概念を発見するようなものなんだ。
( つづく ) 講義の目次は 【和訳版】FabAcademy 2016 からご覧ください。 ※この記事は FabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。